家庭で出来る「痔」の治療と対応法

外痔核の治療

内痔核脱肛の戻し方-1(一般説明)

内痔核の治療

内痔核脱肛の戻し方-2(実際図解)

裂肛(切れ痔)の治療

 肛囲膿瘍、痔瘻の治療

#便秘への対処法。

#市販便秘内服薬分類と利用方法

 

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外痔核が突然腫れて痛い時の処置。


外痔核は、肛門の皮下の静脈叢の血栓または炎症です。1週間くらいで

痛みは軽減します。肛門科受診が出来ないときは、以下のことをしてください。
 1)肛門を温める。
       入浴! お風呂に入るだけで肛門が温まり、急速に、痛みがやわらげます。
            ●熱いタオルをお尻にしばらく当ててみる。
       ●懐炉をガーゼに包んで肛門部に当てる。(火傷注意)
       ●暖かいウオシュレットなどで肛門を洗浄する。
 
    2)薬局で、坐薬を買って来て、1日二回くらい局所に塗布、肛門内へ挿入する。
 
      (痔用注入軟膏または痔用軟膏が良いでしょう。
      (例:ボラギノールA注入軟膏、プリザエース注入軟膏、
       プリザエース軟膏、プリザSハイ軟膏など)
                   (痔の市販軟膏使用治療のページ参)
      (坐薬を肛門に塗ると、パンツが汚れますので、小ガーゼをちょっと
          あてておくほうが良いかもしれません。)
      (坐薬を挿入する期間は一般の外痔核では2ー3週間くらいで良いでしょう)
 3)重いものを持ったり、あまり腹圧をあげるような運動仕事を控えること。
   お酒も1週間ほど控えましょう。
 
 4)内服薬は必ずしも必要ないのですが、炎症が強いようでしたら、2ー3日「抗生物質」を内服し、
   また、消炎酵素剤や「痔」の内服薬(例:プリザ漢方内服薬など)を2-3週間くらい服用しても
   良いでしょう。
 
 5)外痔核が自然に破裂して出血する事があります。温め、痔の軟膏を塗って肛門にガーゼか
   ナプキンをあてておけば、1週間程度で止まります。また、外痔核の腫れが
   どんどん減って、症状が楽になります。
   
 6)外痔核が大きかったり、痛みがいつまでも続くようなら、肛門科を受診してください。
    

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内痔核の治療(症状別その他)

出血*がひどい場合

脱肛*の戻し方(手による)

肛門括約筋トレーニング法*/

温める!(温浴の効果)/

痔症状別「坐剤*の使用法

正しい排便法/緩下剤使用法

1)出血がひどい場合!

内痔核は一般にはあまり痛みは少なく肛門内の直腸静脈叢からの出血が主な症状です。
    (進行すると脱肛がひどくなります。)
   
内痔核があって、排便時にぽたぽたと赤い鮮血が便器に落ちた。排便後、紙に赤い血がつく 
      
このような時はとりあえず以下の処置を行ってみてください。
    
 治療と対応法:
    
 イ)まず、お風呂に入り肛門をあたためる。   温めることが大切です)
 ロ)温かいタオルをしばらく肛門に当てる。      (   同上   )
 ハ)坐薬を薬局で購入して挿入する。(軟膏座薬でも、普通座薬でもどちらでも
   良いのですが、普通座薬を挿入するときは、ワセリン軟膏かオリーブ油を
   先端に塗っていれると、挿入時いたくありません。)
   止血作用のある坐薬
    注入軟膏:
       ジナンコーハイ注入タイプ(雪の本店、ムネKK)、
                 プリザエース注入軟膏(大正)等が効果も良く使いやすいでしょう。
    坐剤では
       エスジールAE坐剤(エスエス)、ドルマインH坐剤(ゼリア) 
                     等が良いでしょう。1ー2週間が目途。
   アドナ錠など止血剤の内服も2ー3日併用しても別にかまいません。
 
 ニ)一般「痔」の内服薬や舌下錠なども即効性はありませんが、試みて悪くありません。
   
 ホ)便が硬いときは緩下剤なども服用してもよいのですが、なるべく、野菜や
   海草など「食物繊維」の多いものを食べるようにして、「練り歯磨きのチュ
   ーブの中味」くらいの「便の硬さ」を維持するのが良いのです。
 
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     2)脱肛の正しい戻し方。
 
第3度の内痔核が2ー3個できますと、排便の度に脱肛になり、飛び出して
痛みがあり、出血もひどかったり、炎症をおこしたりして、椅子にも座れなく
なったりします。脱肛が頻繁で、仕事に差しつかえが出来たりするほどです。
このような時はどうしたら良いのでしょうか?
    
       
 脱肛の上手な戻しかた(還納)の方法。
   脱肛が戻りにくいときは、立ったまま戻そうとしないで、仰向けになって寝て
お尻の下に座布団などをいれて高くして、ガーゼにワセリンかオリーブ油痔の軟膏を塗
って、利き手の人差し指にそのガーゼを添えて、多数箇所の脱肛内痔核を、まず1箇所目から
ガーゼごと指を脱肛した痔とともに肛門内へ一緒に入れてしまうようにして戻しましょう。
そして、押し込んだ痔が再び脱出しないように、反対側の手指(ガーゼ)でかぶせるように
押さえておきながら、押し込んだ指を慎重に肛門から抜き出して、再び、残りの脱肛をガーゼ
とともに、(利き手)人差し指を使って押し込みます。押し込んだと同時に反対側の手指
で、押し込んだ痔が出てこないように、同様にかぶせるようにおさえつつ、挿入した指を、
慎重にそっと肛門からぬきだします。このような動作を同様に、2ー3回くり返して、
少しづつ分けて、脱肛を全部、完全に押し込んでしまいましょう。  下段図(上)
        
   
 下向きに膝をたてて手をお尻に回して、同じようにワセリン軟膏塗布ガーゼをあてて
少しづつ手を使って押し込むのもよろしいです。         下段図(下)
(脱肛を放置しておきますと、鬱血がひどくなり、益々大きくなり、座ることも出来なく
なります。そして、どんどん還納が困難になります。還納が不可能になった場合を陥頓痔核
(かんとんじかく)といいます。この場合は専門医にかかって下さい。)  
    
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    3)肛門括約筋運動トレーニング法(下図参)
        脱肛をともなう内痔核にたいする効果が抜群!
      

肛門を2秒づつくらい、頻回にキュツ、キュッツと強く締め付ける運動を、5分くらい続ける(下図)

肛門を、10ー15秒くらい、ギュウーウツと持続して長く、締め付ける運動をくり返し、5分続ける。(下図)

 

 

 是非試みていただきたい簡単で内痔核にたいして効果のある方法です。

 上記の方法を毎日5分くらい根気よく「約半年間」続けてみてください。
内痔核は直腸の静脈叢のうっ血ですから、この運動によって、血のめぐりが良く
なり、思わぬ良い「根本的な」痔の治療効果があります。人によっては体験的に、
どんな坐剤よりもずっと良く効果がありました。」と言われた方もいます。
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   4) 坐浴入浴の効果:
「温める!」 
内痔核(脱肛)の治療には、肛門括約筋の緊張をとり、静脈叢 のうっ血をとるのにもっとも効果のあるのが入浴です。入浴によって暖まり、 肛門括約筋がゆるむので、大変症状が楽になります。 脱肛内痔核のとき、特に痛みがあるほど腫れた内痔核の時などに、入浴は最高の治療薬です。        仕事中でしたら、火傷しない程度に「懐炉」などをガーゼでくるんで 火傷しないようにこっそりお尻にあてて仕事中しのいでもよろしいでしょう。   排便後*に、温かい「ウオシュレット」などの使用は勿論、大変  痔には良いのです。 肛門は常に清潔に! 排便後お尻を紙で拭くのは、刺激が強いことがありますね。 それよりも、ウオシュレットの暖かいお湯での肛門洗浄は、とても良いのです。 でも、会社などで、ウオシュレットが利用出来ない場合や、外出時、旅行時にはどうしましょう? 最近、薬局などで携帯おしり洗浄器が販売されていますので、利用してみてはいかがでしょうか。    携帯型肛門洗浄器「シュピューラー」等 利用のおすすめ。   外出時や会社学校にウオシュレットのない場合は携帯型肛門洗浄器にお湯おいれて、 トイレで簡単に肛門を洗浄し温めることができますので、利用してみてください。(下図)
http://www.spuler-jpn.com    <内痔核の治療に戻る>
    5)痔の症状による痔の薬の使い方
    市販の「痔」の坐薬や内服薬はどのように選んだら良いのでしょうか? 
    
   ( 「市販坐剤の使用法と薬効のページ」も見て下さい。)
   
    A)脱肛がひどいとき:
 
 軟膏や注入軟膏のほうが使いやすいでしょう。
I:急性脱肛(炎症あり):プリザエース注入軟膏(大正)、ボラギノールA注入軟膏(武田)など即効性のある
塗布も注入も出来る消炎作用をもつ、ステロイドや鎮痛剤が多く含まれる注入軟膏が良いでしょう。
 
:慢性脱肛(繰り返す痔)(炎症少ない):ボラギノールM坐剤または軟膏(武田)、レックH軟膏(湧永)など
非ステロイド系坐薬が比較的繰り返し長期間使うのに副作用少なくて良いでしょう。
   プリザS坐剤または軟膏(大正)などステロイドが少量入った坐薬でも良いでしょう。

   内服薬:プリザ漢方内服薬は「乙字湯」を主成分とするので坐薬と併用すれば効果がが期待できるでしょう。

   緩下剤(硫酸マグネシアなど)の内服もよろしいでしょう。

   
    B)出血がひどいとき
 
ジナンコーハイ注入タイプ(雪の本店)、 プリザエース注入軟膏(大正製薬)、
エスジールAE坐剤(エスエス)、 ドルマインH坐剤(ゼリア新薬)、 
プリザエース坐剤(大正)、 プリザSハイ坐剤(大正)
   
   など止血成分の入った注入軟膏または坐剤を短期間(1−2週)使用するのが良いでしょう。 
アドナ錠(止血剤)などの内服も可です。
 
          
    C)慢性普通の内痔核の場合:
 
ボラギノールM坐剤(武田)ボラギノールM軟膏(武田)、レックH軟膏(湧永)などステロイドを
含まない坐剤または軟膏を使用するのが少し長期間でも良いと思います。
または、「プリザS軟膏」.(大正)などステロイドを少量含む軟膏を1ー2カ月使用して症状がある程度
軽快したら、一旦やめるのが良いと思います。
 
  D)炎症が強く熱感があって痛むとき:
 
   プリザエース注入軟膏(大正)、ボラギノールA注入軟膏(武田)、リシーナ注入軟膏(坐剤)(ロート)
   等の「ステロイド含有量の多い」注入軟膏使用をファーストチョイスとします。
 
   または、同じくステロイドを多く含む、
   プリザSハイ坐剤(大正)、プリザエース坐剤、、ボラギノールA坐剤(武田)等の坐剤を短期間
   (1ー2週間)使用しましょう。
 
   内服薬:プリザ漢方内服薬は「乙字湯」を主成分とするので坐剤との併用効果が期待できるでしょう。  

    効果がなければ迷わずに肛門科病院へ行くべきです。 炎症が強ければ抗生物質内服併用*可(数日間程度)

    注意:坐薬をまじめに?漫然と長期間使用してもあまり効果がありません。

    
*坐剤使用期間の考え方*
    &急性期は1ー2週間で効果がないときは、医師を受診する事。   
慢性内痔核は、症状がひどくなった時だけ1ー2カ月使用して
少し良くなれば、いったん休薬するほうが、良いでしょう。
 
   内痔核が薬で、完全に消滅してしまうことは、期待できません。
 坐剤は、内痔核の腫脹を軽快させますが、痔核そのものを、消滅させることはないのです。
 「坐薬」は悪化したときだけしばらく使用して、症状を軽快させる目的で使用しましょう。
 痔とは「うまくつきあう病気なのです。}つきあいたくないって?気持ちは分かりますが・・
 前述肛門括約筋運動や、排便の良いコントロールで、完治しなくても痔が軽快するように
 維持すればよいと思います。
 
 *第3度の脱肛内痔核や第4度の陥頓痔核は肛門科で手術をすれば、完治します。* 
  皮膚垂のないような痔核は、ジオン4段階注射療法もあります。  
  お仕事の都合がつくときに手術をするのも選択肢です。
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   6)正しい排便法、便通習慣 

痔の治療(防止) には規則正しい排便とソフトな便を維持することが大切です。

切れ痔、内痔核脱肛などには、スムースな排便が何より治療上大切です。下記をお読みください。

 

   1)行きたくなったら、すぐトイレへ!が大切。
    上記方針 が、最高の正しい良い排便方法です。必ずしも、朝決まった時間に
 出すべきだとかということにあまりこだわらなくても良いのです。
    
 2)あまり長時間トイレでうんうん息み続けないこと。
    良い排便方法はそして、あまりうんうん長く気張らずにさっと排便”
   をするのが、一番良いのです。うんうん、息み続けないで、さっとだすことです。
 そのためにももようして、行きたくなったら、なにはさておき
 すぐ!トイレに行くようにしましょう。」仕事よりトイレ優先ですね!。
 
 

§便秘への対処方法と市販便秘薬の使い分け。

 
   A:便秘の種類と食事療法、生活改善による便秘解消方法。
    
   痔の要因の一つである便秘(習慣性)の原因として、ストレスなどで大腸の緊張が
  高まっている「痙攣(けいれん)性便秘」があります
   高齢者の方で、大腸の動きが弱くなっている「弛緩性便秘}の場合は、消化の良すぎる
  残渣の少ない食物はかえって腸の「ぜんどう運動」を弱める原因になります。
  穀物や繊維の多い野菜、海草、豆類などを摂取するようにしましょう
  また、ウオーキングなど適度な運動も必要です。
 
  食物繊維を含む野菜を多くとり、ビフィヅス菌を増やす、ヨーグルトや乳酸発酵食品
  なども良いでしょう。
 

B:市販便秘内服薬成分分類と症状による使い分け利用方法:

  まず緩下剤から使用します緩下剤としての、塩類下剤から始めましょう。(市販薬少ない)
  または、非刺激性下剤の浸潤性下剤とか膨張性下剤などもあります。
 
  効果が良くて、一般に手軽に良く使われるのが各種「大腸刺激性下剤」です。
      市販の各種下剤を利用するのは、かまいませんが、下痢になったり、お腹が
  痛くなったりすることもあり、漫然と長く使用すると、大腸の動きの低下をきたして、
  かえって、便秘が悪化したりすることもあるので、注意して下さい。
 
  自分の便秘症状にあった、下剤を選びましょう。薬の成分を読むようにしましょう。
  ”こつ”は、弱めの薬から始めることです。また、水もしっかり飲んでください。 
    
 緩下剤:塩類下剤 (軽度の便秘)
    
  塩類下剤は腸管内へ水分を移行させて、便を軟らかくさせて便通を促進させます。
  効果が穏やかに利いて腹痛も少なく、妊婦などでも薦められます。
  安全で良いのですが町の薬局には少ないのが難点。
 
  カマグ(粉末)、(酸化マグネシウム)やマグラックス(医療用)が代表的です。
  スラーリア便秘薬(ロート)は塩類下剤の硫酸マグネシウム配合です。
  ワカ末漢方便秘薬(クラシエ)(乾燥硫酸ナトリウム、大黄、甘草)(合剤)
 
 大腸刺激性下剤:
 
  a)センナや大黄、アロエなど生薬を主成分とする下剤:(アントラキノン系誘導体)
 
  これらは、直接大腸粘膜を刺激して、排便を促進するもので、常習性便秘や慢性便秘に
  多く用いられています。腹痛が起こることがありますので慎重に。少量から始めましょう
       下記センナ大黄生薬系は(中等度の便秘)に良いでしょう。( )内は会社名と含有成分
 
  新サラリン(大塚)(センノシド、アロエ)、武田漢方便秘薬(武田)(大黄、甘草湯)、
     クリア便秘薬(武田)(大黄、甘草エキス、DSS)等が市販されています。
 
  b)ラキソベロン系下剤: (頑固な便秘用)(効果強めです)
 
   腸内細菌そう由来のアリルスルファターゼにより発生するジフェノール体の大腸
   刺激によって下剤作用を示します。老人でも使用可(少量から)
 
    コーラックソフト錠(ビコスルファートNa含有)(大正)
    ビコラックス(ビコスルファートNa)(佐藤製薬)が市販されています。  
 
  c)テレミンソフト系(ビサコジル系)下剤: (高度な常習性便秘)に適す。
 
   血液の中に成分が入らないので、妊娠時や肝臓腎臓障害でも利用できます。
   慢性便秘に効きます。 効果は強い!良く利きますが腹痛と下痢に注意!
 
   下記の薬が良く使われています。少量から始めましょう。
 
   コーラック(大正)(ビサコジル)(良く広く使用されています。)
         効きすぎて下痢したり、腹痛を起こすことがあります。
     (下記は合剤で更に効果を強化したものです。)  
   コーラックH(大正)(ビサコジル+DSS)(合剤)
   スルーラックS(エスエス)(ビサコジル+センノサイドCa)などがあります。
 
  d)炭酸ガス発生排便坐剤
   排便困難時に肛門内へ挿入して排便を促します。坐剤形式になっています。
   手軽に使えて、以外に効果があります。簡単な浣腸のようなものだと思って下さい。
   お年寄りに多い排便力が低下した直腸性便秘(排便障害)」に安全で、効果があります。
   常用しても癖にはなりません。
 
   コーラック坐薬(大正)、新レシカルボン坐剤S(ゼリア新薬)が市販されています。
 
 
    ◇膨張性下剤:(非刺激性)
 
   プランタゴ・オバタ種子などの繊維成分を主体に含み、多量の水とともに用いると
   繊維が膨張し、腸のぜん動運動をうながします。 
   高齢者に多い弛緩性便秘(大腸が動かない状態)に有効で、効果は2−3日後に出現します。
         内服時に水を多く飲む必要があり、お腹がはることがあります。
   使い方がやや難しいですが、なれれば、繊維ですので穏やかで良い下剤です。
 
   サトラックス(分包)、サトラックスビオファイブ(分包)(佐藤製薬)
   コーラックファイバー(分包)(大正)  (含:プランタゴ・オバタ種子+センナなど)
    
    ◇浸潤性下剤(軟化剤):(非刺激性)
 
   DSS(ジオクチルソシウム・スルフォサクシネート)を主成分とする表面活性剤であり
   便の表面張力を低下させて便に水を含ませ、軟化させて排便を容易にする作用です。
   ストレスなどで起こる「けいれん性便秘」の方には非刺激性下剤として試してください。
    
   コーラックII(大正)(DSS + ピサコジル)
          
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 裂肛の治療    

     裂肛(切れ痔)は、便秘で硬く太い便で、肛門の通過時に肛門が傷つき裂けてしまう
    肛門の”外傷”です。
        *初期の急性期(第1度)のうちに、便通を整えて(上記参)完全に直してしまいましょう。
      II度裂肛は急性期に準じて治療して下さい。
    

急性期裂肛(I度裂肛)治療法:

 
   1)便秘を直すのが一番!!。#便秘への対処法
    
    ◇野菜、海草など粗繊維を多く含む食物をしっかりとって、根本から
      便通を整えるようにしましょう。(長期目標として。)
    
 ◇便秘にならない「良い排便方法」はもようして、行きたくなったら、
      なにはさておき”すぐ”トイレに行って、あまり気張らずにさっと排便
      するのが、一番良いのです。(たとえ会議中でもちょっと失礼して.....)
       
 「大便は行きたくなったら、すぐトイレへ!が大切。」(前述)
    上記方針 が、最高の正しい良い排便方法です。必ずしも、朝決まった時間に
 出すべきだとかということにあまりこだわらなくても良いのです。
    
    朝コップ1ー2杯の水か牛乳を飲むと、排便しやすいでしょう。
    
  #市販便秘内服薬成分分類と症状による使い分け利用方法 
    
  前記の市販の各種下剤を上手に利用することも多いでしょう。でも下痢になったり、お腹が
  痛くなったり、渋り腹になったりすくこともあり、漫然と長く使用すると、体内のカリウム
  イオンが減ってきて、筋力の低下や大腸の動きの低下をきたして、かえって、便秘が
  悪化したりすることもあるので、長期の乱用に注意して下さい。
  便秘改善薬にも、色々種類があり特徴がありますので、前記の下剤の分類を参考にして、
  自分の便秘症状にあった、下剤を選んでみてください。
  ”こつ”は、弱めの薬から始めることです。また、水もしっかり飲んでください。
    
         
     軟膏、坐薬 をしばらく朝夕に肛門に挿入しましょう。(下記)
    
  非ステロイドの軟膏、坐剤 
 
  レック軟膏、 ボラギノール軟膏、の塗布。
  ボラギノールM坐剤挿入が良いでしょう。
  2週間くらいで効果が期待出来ます。 
 
  少量のステロイド含有軟膏も可です。
   ボラギノールA軟膏、 サノーラS軟膏 の塗布。
    
  「ビタミンE(ユベラ)」などの内服も長期的には効果があります。
  痛みがあまりに強いときは「セデス」などの痛み止めを短期間頓服で内服も一時的
  には良いと思います。
   

慢性裂肛(III 度裂肛)の治療:

   慢性化した裂肛は、肛門潰瘍となり、肛門が狭くなり(狭窄)ポリープができたり
疣(裂肛Trias)ができたりして、排便時のみならず、排便後も激しい痛みが続くように
なります。第III度裂肛の場合は、自己治療は無理です。専門病院受診しましょう。
   適切な手術が薦められます。
 (手術方法: 肛門内括約筋側方切開術+ポリープ切除術 SSG、Vフラップなど)
    
 坐薬も使用しても良いですが、3度裂肛では、座薬軟膏はもうあまり効果は期待できません。
 痛み止めの薬を時間つなぎに使用するのはかまいません。
 便を、まず、ソフトにしましょう。
   
           
   *激しい痛みを伴う慢性裂肛!だけどすぐ受診や手術が出来ない場合!*
   (参考)    
 時に、効果が期待出来る「ニトログリセリン軟膏」(本来は狭心症の塗布軟膏です..)
を、肛門周囲の皮膚に塗布すると、括約筋の痙攣がとれて、痛みが軽快します。
この方法は肛門科専門医でも行われています。
但し、本来は狭心症の薬ですので、心臓疾患の有無、適応の可否、心臓のほてりなど
副作用のこともかんがえなければなりませんので、医師とご相談の上、慎重に
お使い下さい。この際、話は違うが「バイアグラ併用」絶対禁忌!!念のため!
ニトログリセリン軟膏の医療用商品名は「バソレータ軟膏」です。
   
   ニトログリセリン塗布軟膏は医師の処方が必要です。
    (痔は保険診療上バソレーター軟膏は適応外とのことで健康保険は効きません。)
 (心臓疾患、虚血性心疾患の適応で処方される軟膏です。)
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痔瘻、肛門周囲膿瘍の対処方法

 肛門周囲や、肛門の中が腫れて、熱がでて(37ー8度)何ともいえないような、激しい
肛門痛がでたら、早く肛門科か外科を受診してください。それは、肛門周囲膿瘍でしょう。
肛門周囲膿瘍は外科、肛門科医師に早く切開してもらうと、楽になります。
 
 肛門周囲膿瘍はやがて「痔瘻」になり、時々熱がでて痛み、肛門から
じくじくと「膿」がでます。これも、肛門科を受診してください。
 
  「痔瘻」は、ほとんどは手術(セトン法などを含む)を必要とします。
 
   ◇とにかく、すぐ、医者にゆきましょう!!。
 
    暫定的処置対応法:
    1)抗生物質の内服 (3ー5日間)(+消炎酵素剤内服併用)
  2)局所を「冷やす」
       3)痛みを一時的にとるため「ロキソニン」セデス」「バファリン」など内服。
     
  4)ゲンタシン軟膏(抗生物質軟膏)などをとりあえず塗っておく。
  5)坐剤は効果ありません。
      (以上でしばらく”しのい”でも、なるべく早く医師を受診することが大切。)
      
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