市販痔用軟膏坐剤の疾患.症状別.選択法 

痔の症状疾患別に薬局でどんな坐薬を購入したら良いの?

 H21/6更新

貴方の下記の、該当する「痔」疾患症状から、クリックすると適応市販坐薬が見つかります。

外痔核    内痔核一般    内痔核出血   内痔核脱肛   

内痔核炎症疼痛  裂肛(切れ痔) 痔瘻、肛門周囲膿瘍 

の際の「市販坐剤.軟膏」選択例。  


痔の坐剤は「副腎皮質ステロイド」を含有するか? 含有しないか?」に大別されます。

 

(1)はれと痛みがある「急性内痔核」の場合は「副腎皮質.ステロイド」含有の「坐剤」または「注入軟膏」を使用・

(2)はれと痛みがある「急性外痔核」の場合は「副腎皮質.ステロイド」含有の「注入軟膏」、または「軟膏」を使用。

(2「慢性痔疾患」では「非ステロイド(または弱ステロイド含有)の「坐剤」,または「注入軟膏」が良いでしょう。

(3)痛い!きれ痔(裂肛)は「非ステロイド系」又は「弱ステロイド系「注入軟膏」を使用。  

  (要注意!)患部が赤く腫れ(化膿)ていて、く、熱があるような場合は肛門周囲膿瘍など”感染症”ですので要病院受診です。

決して「副腎皮質.ステロイド」含有坐薬(軟膏)を使ってはいけません。

 ご注意!

 市販痔用注入軟膏、坐剤、軟膏等は原則として、軽度、中等度の「外、内痔核、裂肛」の治療にご使用ください。  2週間使用して効果がないとき、又、高度痔疾患(重症)のものには、必ず肛門科医師を受診ください。  尚、痔瘻や肛門周囲膿瘍(のうよう)には坐剤等は効果がありません。  (私個人の”独断”で、可及的に公平に選びました。)

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「 痔の疾患.症状別「市販坐剤薬」選択例 」

(*同じ薬剤名でも、00-とか、00-とか00-とかで「成分効能」が全く異なりますので御注意*)

(著者の独断で薬品を選んでおります。一般薬局で全国どこでも手に入りやすい薬を選びました。)

外痔核

症状

投与薬剤

突然、肛門の外側に、大豆大の腫脹が起こり、ズキズキ痛む。

ボラギノールA注入軟膏(武田)、プリザエース注入軟膏(大正)リシーナ注入軟膏(ロートなどの1回毎使い捨てステロイド含有「注入軟膏」が最も適しています。外痔核に直接塗ったり、肛門内に挿入も出来て便利です。(1日2−3回)。

また、プリザエース軟膏、プリザS軟膏(大正)や、ボラギノールA軟膏(武田)などの頻回使用軟膏も外出時など持ち歩いて、外痔核局所に塗ったり出来て、使いやすいでしょう。14日-28日で軽快目標。 内服薬:プリザ漢方内服薬は「乙字湯」を主成分とするので使用すれば併用効果が期待できるでしょう。

内痔核   

軽症、普通型

症状

投与薬剤

脱肛もなく、出血も少ないがくり返す内痔核の場合       (第1ー2度内痔核)

副作用が少なく、作用のおだやかな非ステロイド坐薬(坐剤、軟膏どちらでも良い)を使用しましょう。

ボラギノールM坐剤(武田)挿入用(1日2回)、または、ボラギノールM軟膏(武田)(塗布用)、レックH軟膏(湧永)、などの非ステロイド系坐剤や軟膏を肛門内に挿入したり塗布します 1-2カ月が目途。  

「少量ステロイド含有」の、プリザ坐剤(大正)やプリザ軟膏(大正)なども良いでしょう。 勿論、リシーナ軟膏(ロート製薬)などのその他の製薬会社の一般痔軟膏坐剤でももちろんOKです。

内服薬:プリザ漢方内服薬は「乙字湯」を主成分とするので使用すれば併用効果が期待できるでしょう。

 

内痔核    出血型!!

症状

投与薬剤

主に出血を主症状とする場合

ジナンコーハイ注入タイプ(雪の本店、ムネ)をはじめ、プリザエース注入軟膏(大正)は止血効果に優れています。

坐剤では、エスジールAE坐剤(エスエス)をはじめ、ドルマインH坐剤(ゼリア新薬)、プリザエース坐剤(大正)、プリザSハイ坐剤(大正)等が止血剤成分を含み、効果があると思います。7日投与しても止まらぬ時は病院へ。 内服薬:短期間医療用止血剤アドナ錠など併用可。                      

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脱出性内痔核、(脱肛)

腫脹、疼痛が少なく慢性の場合

症状

投与薬剤

脱肛がひどく繰り返す場合(第3度)、指でその都度痔を押し戻すことが多い。

 

挿入用坐剤ならボラギノールM坐剤(武田)、レックH軟膏(湧永)など「非ステロイド系薬」(坐剤、軟膏どちらでも良い)なども慢性化した場合特にOKです。

「ステロイド」の少ない、「プリザS軟膏」.(大正)、を塗布するのも良いでしょう。

 脱肛時:坐剤と軟膏の種類の異なる2種類併用も良い。 使用期間長くなることが多いですが1ー2カ月を目途としましょう。

内服薬:プリザ漢方内服薬は「乙字湯」を主成分とするので使用すれば併用効果が期待できるでしょう。

はれ、疼痛、

炎症性内痔核

(脱出または、脱肛と激痛の裂肛を伴う。)        

症状

投与薬剤

脱肛と痛み腫脹症状ある場合。

プリザエース注入軟膏(大正)、ボラギノールA注入軟膏(武田)、リシーナ注入軟膏(坐剤)(ロート)等の「ステロイド含有量の多い」注入軟膏使用をファーストチョイスとします。 または、プリザSハイ坐剤(大正)、プリザエース坐剤、、ボラギノールA坐剤(武田)等の坐剤を短期間(1ー2週間)使用。 効果がなければ迷わずに肛門科病院へ行くべきです。 炎症が強ければ抗生物質内服併用*可(数日間程度)

内服薬:プリザ漢方内服薬は「乙字湯」を主成分とするので使用すれば併用効果が期待できるでしょう。

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急性裂肛

(第1ー2度)

症状

投与薬剤

急に切れ痔になり、ズキズキ痛む(新鮮裂肛)

ボラギノールM軟膏(武田)(塗布用)、レックH軟膏(湧永)、などの非ステロイド系で局所麻酔含有軟膏を肛門内に挿入したり塗布するのが良いでしょう。

 少量のステロイド含有軟膏の プリザS軟膏(大正)、または、リシーナ軟膏(メンソレータム含有)(ロート)なども良いでしょう。

なを、市販痔薬に多い、ステロイド含有軟膏」は「裂肛の創傷治癒」をかえって阻害する恐れがあります 何より、便通を良くする事が第一条件です。 内服薬:カマグ(緩下剤)等併用投与。 ユベラ錠(ビタミンE)も血行曽を改善し良いでしょう。     

慢性裂肛  

(第3度)

狭窄肛門伴う

症状

投与薬剤

難治性持続的慢性裂肛 :いつも排便後長く頭に響くような痛み。肛門が狭くなることも多い。

自己治療は無理です。肛門科へ行きましょう。

当面処置としては:ボラギノールM軟膏(武田)(塗布用)、レックH軟膏(湧永)、などの非ステロイド系で局所麻酔含有軟膏を肛門内に挿入したり塗布するのが良いでしょう。    何より、便通を良くする事が第一条件です。

慢性裂肛は難治性で疼痛激しい場合や、肛門が狭くなって便が細くなることが多く、自己治療は無理です。出来るだけ早く肛門科を受診しましょう。

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 肛門周囲膿瘍

症状

投与薬剤

肛門周囲が腫脹し発赤、発熱があり、激しく痛む。(ただし直腸内高位膿瘍では皮膚の発赤はない)

自己治療は無理です。!(止む終えないときは一時的に、抗生物質(内服用)投与 + 消炎酵素剤投与。 ゲンタシン軟膏(医療用)塗布)

*坐剤は効果がない!。 至急、外科、肛門科病院で膿瘍切開処置が必要です。           

 痔瘻

症状

投与薬剤

肛門周囲からじくじくと膿がでる ときどき腫脹して痛む。

感染と疼痛ひどいときはまず病院へ行きましょう。止むを得ない時は、臨時対応として。抗生物質(内服)短期内服、ゲンタシン軟膏塗布。 *坐剤は効果がありません!。

下痢になると悪化する事が多いので、正常な便通を保つように心がけましょう。

専門医を受診して治療を受けましょう。       


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