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てんかんについて

てんかんについて知っておきたいこと

■ てんかんってどんな病気なの?

慢性的に(2回以上)、無熱性の(熱性痙攣と区別)てんかん発作をおこす病気

よく誤解されるのは、脳波に異常があるからてんかんであるとする場合
てんかんであっても、脳波の異常のない人はいます
脳波に異常があっても、てんかんではない人もいます
てんかん発作に似たような症状でてんかん発作でない人がいます
てんかん患者さんの診療になれた医師が診察することが必要です

■ てんかん発作ってどんな症状なの?

大脳の皮質の神経の細胞が異常な興奮をおこしておこる症状を言います

大脳以外のところから出ている症状が誤解されることがあります
失神などの症状でてんかん発作に似た症状が誤解されることもあります
てんかん発作以外の症状にてんかんのお薬はふつうは効きません

■ てんかんってどんな種類があるの?

1.全般型 脳全体が同時に異常な活動をするタイプ
1.焦点型 脳の一部分からてんかんの活動が広がってくるタイプ
     (局在関連型とか部分型とも呼ばれます)
2.症候性 MRI・CTに異常がある、あるいはてんかん以外にも神経症状がある
2.特発性 MRI・CTに異常がない、またてんかん以外の神経症状がない

てんかんの種類

上のてんかんの分類で、てんかんは大きく分けて4つに分類できます。
このうち、どの分類にはいるかにより、治りやすさ治りにくさの判定をします。
あくまで目安ですが、図にかかれた数字の小さいほうが治りやすいと考えられています。おのおのの分類で代表的なてんかんをあげておきました。

現在、てんかんと診断されておられる方はこのうちのどこにはいるのかご自分でご存じなければ、現在診療を受けている医師におたずねになるのが良いと思います。

てんかんのような慢性的な病気では、自分の病気がどのような診断なのか、どのような治療がなされるのか、今後どうなっていくのかということを、医師にしっかりと聞いておくことが大切です。
わからないままに、何年間も治療を受けるのは良くないと思います。

・全般型てんかんって、どんなてんかんなの?

全般型てんかんは大脳皮質全体が同時にてんかん発作をおこすタイプです。

したがって、脳全体でおこりますから、発作のかたちは神経の興奮と、興奮により誘発された抑制のバランスによりきまってきます。

全般型てんかんについて

図に示しましたように、興奮が続くのが強直発作。強直発作に抑制が一拍入るのが間代発作で、特徴的なリズムがあります。短い興奮によりピクッとなる発作がミオクローヌス発作。興奮性の神経活動が前面に出ずに、意識を失ってボーっとする発作が欠神発作。同じように、抑制性の神経活動のみが前面に出るものが脱力発作です。

よく誤解されるのが、意識を失って倒れたので欠神発作というふうにいう方がおられますが、欠神発作では動作が止まるだけで、通常転倒はしません。
また、バタンと倒れるのがすべて脱力発作というふうにいわれる方がおられますが、転倒する発作は、強直発作・ミオクローヌス発作・脱力発作あるいはこれらの複合形であることがほとんどです。

・焦点型(局在関連型あるいは部分型)てんかんって、どんなてんかんなの?

焦点型てんかんは大脳皮質の一部分から、てんかん発作をおこすタイプです。

したがって、発作のかたちは発作のおこる脳の場所と、発作をおこしている脳のひろさによりきまってきます。

焦点型てんかんについて

図に示しましたように、脳のせまい範囲で発作が起こっており、意識が保たれていながら発作をおこしている状態を単純部分発作といいます。この範囲がひろがって、意識がなくなる部分発作の状態を複雑部分発作といいます。さらに、この範囲がひろがって、脳全体に広がり、全般型の強直間代発作(ひきつけ)をおこすのが、二次性全般型発作といいます。

これらの、広がりによる発作は、起こる場所によりそれぞれちがっていて、その症状を分析することにより、おおよそどこの場所に起こっている発作かを判定できることもあります。
したがって、発作が起こっているときにその症状をよく観察していただくことが、大切になってくるわけです。

呼びかけると反応があったので、意識があったということがいわれます。また、反応がなかったから意識がなかったということもいわれます。
これは、てんかん以外の病気の時には大体あたっているのですが、てんかんの発作では、意識がないのに簡単な応答ができてしまったり、逆に意識があるのに応答するための体の部分がてんかん発作に支配されてしまっていて、応答できない場合もあります。

それでは、てんかんの発作で意識のあるないは、どのようにしらべるのでしょうか。
これは、その発作が起こっているときのことをおぼえているかどうかにかかっています。

ここで、注意しなければならないのは、発作前後のことはおぼえていて、意識があったということを言われる場合です。単純部分発作からはじまって、意識のなくなる複雑部分発作になっていく方は少なくありません。

また、こどもさんではその時の記憶を確かめるのがむずかしい場合もよくありますが、このような場合、発作のときにかんたんな単語(たとえば、動物の名前をふたつ、キリンとぞうとか)を「おぼえてね」といっておぼえさせ、あとでなんと言ったかを答えられれば、意識があったことがわかる場合もあります。