裂肛(切れ痔)

裂肛とは肛門の「裂き傷」です。硬い便がでたちきに、肛門管が裂けたもので、切れ痔ともいいます。排便時にひりひりとした痛みが強く、慢性化して進行すると排便中、そして、排便後激しい痛みがあり、また、肛門が狭くなったりします。若い女性に多いのです。

<乳児裂肛>:女児にみられる裂肛です。

 

矢印:急性裂肛(強調像)

*急性裂肛(第1度裂肛)*矢印

「硬くて太い便」がでたときに、肛門が”ピリッと裂け”て、激しくいたみます。しかし、カマグやダイオウ末などを内服して、必ず便を柔らかくして、さらに、「軟膏タイプの座薬」(例:ボラギノールM軟膏など)を肛門内に一日1ー2回入れたりしている内に、自然になおります。裂肛(切れ痔)は、早い時期(急性期)の時期に治してしましましょう。

 

(成人III 度 慢性裂肛)

  慢性裂肛:(第3度裂肛)

(肛門潰瘍)

裂肛を放置して、慢性化すると、裂肛(潰瘍)の奥に「ポリープ」が出来て、III度裂肛(切れ痔)になります。肛門が狭くなり、排便時と、排便後の痛みが耐え難くひどく、長く続きます。

難治性で手術が必要な症例です。


乳児裂肛:

乳児裂肛は女児のみにおこります。ボラギノールM(非ステロイド)軟膏を少量つけて、カマグ(硫酸バグネシア)(小児科にあります)(少量(一日一回0.1gr。一日3回)をミルクと一緒に飲ませて便を柔らかくしてあげることにより、良くなります。また、おかあさんはめんどうでも、頻回におむつを代えて、肛門をなるべくドライ、清潔にするようにしてあげて下さい。(下記参照)

 

(女児(6カ月)裂肛(矢印))

  乳児裂肛:(急性裂肛)

女児に多く発症します。生後3カ月から1年くらいの間に発症し、排便時痛がって泣きます。肛門の12時と6時方向の皮膚が裂けて、切れ痔(裂肛)が発症します

この症例は第1度急性裂肛で、便通を柔らかくして(カマグ0.3gr)、非ステロイド痔軟膏を塗布すれば治ります。乾かして清潔にしてベビーパウダーを散布。


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