坐薬の肛門内挿入法と使い分け


痔用坐剤には、柔らかい「軟膏」と硬い「坐剤」の2種類があります。特に坐剤は、肛門に挿入するときに痛いことがあります。このページでは、坐薬の使い分けと坐剤の挿入法のこつについて解説いたします。

坐剤の使用法と「”挿入法”」
軟膏薬の使用法
   

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坐剤(硬い鉄砲玉のような形)の使用法
◇坐剤はどんな痔に使用しますか?◇
主に、内痔核に使用します。出血、脱肛、疼痛、炎症の有無などにより坐剤の使い分けが必要です。(1)非ステロイド坐剤、(2)少量ステロイド含有坐剤、(3)大量ステロイド含有坐剤、(4)止血用坐剤、などの種類があります。内痔核の症状と坐剤適応に注意して使用しましょう。薬剤種類選択方法については「市販痔の薬の選択法」ドクトル山田の痔の処方」のページを参照下さい。
◇坐剤の肛門内挿入法は?(下図参)メメメ◇
坐剤の挿入法(右図)

 

 

硬い「坐剤」の先端に左図矢印のごとく、軟膏坐薬の軟膏を少し塗り付けます。これによって坐剤先端が、滑りやすく、スムースに挿入しやすくなります。家庭のオリーブ油などをつけても結構です。指の体温で、坐剤基部が溶けぬよう注意下さい
*奥の手*(どうしても挿入困難なら、前もって自分の指に軟膏を塗って、まず、肛門内に自分の指を挿入して、肛門内の穴の方向をたしかめてから坐剤をいれるとうまく行きます。(勿論、事後に指は洗うこと)

横向きに寝た体位で、膝をまげて利き腕をお尻の穴にまわして人差し指を使用して挿入すると入りやすいです。)

 

 

軟膏またはオリーブ油(家庭用)等を坐剤の先端につけて、滑りやすくした後、坐剤の基部(底部)に人差し指、または、親指を添えて、肛門の奥まで、最小限2ー3cmしっかり挿入します。
◇坐剤と軟膏の併用挿入方法(下図)◇
まず、先端に軟膏等を塗りつけた坐剤をしっかり肛門内へ挿入(上記参)した後、次いで、軟膏チューブも肛門内に挿入して、軟膏を絞り出しながら徐々に抜いてくるようにします。もぞもぞした感じがやや不快ですが、坐剤は「30分で溶けて」効果がでます。
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軟膏坐薬の使用法

◇軟膏型の坐薬はどんな痔に使用しますか?

1)裂肛(切れ痔)特に急性期。勿論慢性裂肛(潰瘍)にも適応です。 2)血栓性外痔核にも軟膏坐薬が適応です。  3)内痔核では一般に坐剤と併用することが多いようですが、軟膏を単独に使用してもかまいません。好みで坐剤または軟膏を選んで使用してもかまいません。                

◇軟膏坐薬の使い方、挿入方法?

痔の軟膏坐薬には、(1)2グラム入りの小型軟膏(1回用)と、(2)10グラムから30グラム入りの大型軟膏(徳用サイズ)の2種類があります。 いずれにしても、一回2グラム程度を1日2回くらい、排便後、または、入浴後に肛門入り口と肛門内へ絞り出すように挿入します。挿入するときは、軟膏をすこしだけ絞りだして、チューブ先端に軟膏をすこし塗って「滑らかにして」から、少しづつ軟膏をしぼりだしながら、肛門入り口の皮膚に塗り付けつつ、さらに軟膏をしぼりだすようにして、少しづつ肛門の奥にも、チューブ先端を挿入してゆき、2cmくらい入りきったところで、全部しぼりだした後、抜去します。肛門が軟膏でべとべとしますので、しばらく「ガーゼ」を肛門にはさんでおくと良いでしょう。

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