町家再生の技と知恵_京町家のしくみと改修のてびき_

956号      960号


京都発大龍堂:メール マガジン通巻958号

今日、メディアの報道によると、林野庁が国宝修理の為の“ひのきの育成”に本格的に取り込む姿勢を示した。外材に頼っていた日本、遅いくらいの対応であるにせよ内心安堵した。国宝建造物によく使用されている“ひのきの苗木”を全国10ヶ所に16,000本植樹し200年〜400年間伐採せず、巨木に生長させそれを国宝の修理に活用するという壮大な計画である。長いスパンでものごとを考える思考形態が行政に芽生えたことも嬉しい。
だけど、やはり、日本の木の文化を支えるのは「町衆」である。
今ここに、梶山秀一郎氏(京町家作事組理事長)が長年温めてこられた実践的な「梶山秀一郎ワールド」のテキストが誕生した。これは正しく和辻哲郎が提唱した「風土的歴史、歴史的風土の考察」である。賞讃を送りたい。ぜひ一読を期待したい。(yy)

町家再生の創意と工夫

《町家再生の技と知恵》

_京町家のしくみと改修のてびき_

編著者:京町家作事組(きょうまちや・さくじぐみ)
発行:学芸出版社
定価:本体価格2600円+税
B5変形144p
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<目次>
第1章〈概説〉京町家とは何か/
第2章〈図解〉京町家ができるまで/
第3章〈実践〉改修マニュアル/
第4章〈実例〉改修された京町家
京町家は、歴史と文化を伝える非常に魅力的な建築です。しかし、それだけにとどまっていては、町家は残してゆけません。町家の持つ、その建築的価値を再確認し、今の科学や基準から評価するのではなく、「伝統工法による都市住宅」としてその本質を捉えるべきです。
そこで改修するにあたって、京町家の改修における標準仕様をまとめました。著者である京町家作事組の改修ポリシーを簡単に言えば、「もとに戻せない改修方法はとらない」「できるかぎりメンテナンスしやすい方法をとる」ということです。また、改修するのに町家のしくみがわからなければ直せませんので、明治初期ごろの町家を新築する建設過程を追って解説し、その骨組み(躯体構造)を図解しました。
基本的に職人さんへの聞き書きをもとにまとめております。京町家作事組という市民組織の会員40社弱の各職人さんへの聞き書き(2年にもおよぶディスカッションと編集)をもとに本書はまとめられました。
市民主体で社会を変えようというこの時代、全国各地でも同じような組織は望まれるはずです。建築関係でもいろいろなNPOが立ち上がっていますが、事業として軌道にのりつつある組織は数少ないものです。京町家作事組は、市民活動(NPO)のひとつの可能性だといえます。 
<京町家作事組>
京町家の改修を実際に手がける職人集団の実践部隊。設計者、工務店、左官、畳などの専門業者38社が連携を組み、改修工事を請け負う。同時に、町家再生の技術継承をすることがもうひとつの狙い。1999年発足。
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【学芸出版社の町家関連図書】

★《京町家・千年のあゆみ》 
_都にいきづく住まいの原型_ 
著者:高橋康夫 発行:学芸出版社
定価:2500円+税 A5判256p

素材、意匠、技術、空間、そして暮らし……。豊かな文化と歴史を体現する京町家が、今再び注目され、保存・修復・再生への動きが活発になっている。1000年におよぶ都の変遷で、いま目にできるのは最も古くとも江戸時代のものだが、京町家はいつ生まれ、いかなる経緯で現在の姿になったのか。絵画・文献史料を駆使して考察。
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★《地模様としての建築》 
著者:吉村篤一  発行:学芸出版社
定価:2300円+税 四六・240p

都市の地模様を構成する要素「家」は、さまざまな個性を持ちながらも明確なコンテクストで貫かれていなければならない。20余年にわたって、京都を中心に住宅を設計してきた著者が求めてきたのは、「地」をかたちづくり、町並みという「図」をおりなす住まいであった。その設計手法の源流を、本文と52の住宅作品からたどる。 
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★《町家点描》 
著者:藤島亥治郎・藤島幸彦著/写真:田畑みなお  発行:学芸出版社
定価:3500円+税 A5上製320頁

変わりゆく町並みを慈しみ、日本各地を訪ねる。半世紀以上にわたって調査を続けてきた著者が、近畿・中部・北陸を中心に、第一級の町家約30件を紹介。家々の意匠とその歴史的背景を、豊富な写真と図版によって綴る。伝統の美と文化に映えるたたずまいは、生活にとけこみながら今もなお息づいている。好評『町家歴訪』姉妹編。 
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★《町家歴訪》 
著者:写真:田畑みなお 藤島亥治郎・藤島幸彦著  発行:学芸出版社
定価:3500円+税  A5上製320p

古く美しい町家が惜しげもなく取り壊され、それらが集まり成していた町並みもビル群の下に失われてしまう。しかし幸福にも戦災を逃れ、近代化の波を逃れてきた町家が日本全土に点在し、その地域の伝統と文化を今に伝えている。町家の調査に半世紀にわたり携わってきた著者が、現存する町家を豊富な写真とともに紹介する。 
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★《日本の匠》
_63人の棟梁と語る_ 
著者:中村昌生監修  発行:学芸出版社
定価:4500円+税 A5変528p

数寄屋、茶室、堂宮、町家、民家……、日本の建築文化に残る技と心を訪ね、各地で活躍する大工棟梁たちを歴訪。修業時代の苦労や後進の指導、また地方独特の、そして自身で開発した技術を語る。腕から腕へ、身体から身体へ、心から心へと、不立文字の世界で受け継がれてきた秘伝が500余点に及ぶ写真・図版とともに綴られる。 
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★《格子の表構え》 
_和をきわだたせる意匠_ 
著者:新学芸和風建築叢書  発行:学芸出版社
定価:5500円+税  A4変・144(カラー16)p

町家の格子はその職種、地域、階層までをも表現し、その多様さにより家並みに統一性と多様性を与えることができ、優れた町の景観を作り出すことができた。格子がもつこのような性格は優れた町並み作りの手本として再考するに足る今日的価値をもっている。本書はこの和を象徴する伝統のディテールを写真と実測図面により集成。 
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★《和風庭園を彩る庭園手法》 
著者:新学芸和風建築叢書  発行:学芸出版社
定価:5500円+税  A4変・144(カラー64)p

実に巧妙な建築と庭との関係を説く。建築と庭園とを一環させるいくつかのコンセプトが縄のごとくあざなわれて創出される造景の《主庭》、町家の構成において巧妙な環境装置ともなる《中庭》、アプローチにおける庭づくり、道路から玄関にいたる《導入庭》などの手法、20例を紹介。多数の写真と図面が実際の計画に役立つ一冊。
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★《町家型集合住宅》 
_成熟社会の都心居住へ_ 
著者:巽和夫・町家型集合住宅研究会編  発行:学芸出版社
定価:2800円+税 A5変272p

集住秩序の崩壊が、都心から住まいを消した。各分野からの多彩な執筆陣が、都心居住消失の原因を、現状・歴史的経緯・他都市との比較等から丹念に読み解き、再生の可能性を探求。地域共生型集合住宅の計画から実現までの過程を、京都を例に発信し、成熟社会における地域やコミュニティに根ざした集合住宅のあり方を提案する。  
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★《歴史ある建物の活かし方》 
_全国各地119の活用事例ガイド_ 
著者:清水真一・蓑田ひろ子・三船康道・大和智編  発行:学芸出版社
定価:3500円+税 B5変176p

今、歴史的な建物の再生・活用がブームである。「町家をレストランに」「学校を資料館に」「煉瓦づくりの工場を美術館に」という多様な活用事例を、その特徴別に分類し、ソフト・ハードの工夫を紹介している。巻末には、最新の事例を踏まえて、活用にあたっての考え方やポイントを掲載。所有者、設計者、行政関係者必読の書。
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★《面白い都市》 
_マスシティの風景_ 
著者:上田篤編・マスシティ研究会著  発行:学芸出版社
定価:1900円+税  四六240p

日本の都市は理念的にも構造的にも西欧や中国の都市とは性格を異にしている。外食、風呂、カラオケ、花見、寺、橋、路地、下請、看板、マスコミ、町内会、家元などなど、8章54項目のキーワードをテーマにして、歴史・文化・社会、そして建築的視線をもった27人の執筆者が、多様な角度から日本の都市のあるべき姿を浮き彫りにする。 
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★《タウンリゾートとしての商店街》
_都市を変える5つの提案_ 
著者:吉野国夫著  発行:学芸出版社
定価:3200円+税 A5変224(カラー64)p

普段から通う商店街こそ身近なリゾートであって欲しい。顔見知りの人がいて、馴染みの店があり、生活感がある空間。そういう場所こそ都市の魅力の源だ。本書は、空間デザイナーであり街づくりプランナーでもある著者が、その専門の立場から、商店街を再生し都市を魅力的にする新しい視点と具体的な5つの方法を提案する。
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★《甦る都市》 
_職人のまち西陣から新しい市民のまちへ_ 
著者:住生活研究所編  発行:学芸出版社
定価:1800円+税  四六・224p

京都の町並みの変貌は、西陣とマンションに象徴される。町家の並びの向こうにマンションがにゅっと建っている構図だ。不釣り合いなこの構図は、しかし、西陣の現実であり、京都の現実なのだ。本書は、同様の問題を抱える、伝統産業に支えられた都市への、きものとマンションの町からの、市民運動を背景にした発信である。
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