コモンズとしての地域空間

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京都発大龍堂:メール マガジン通巻892号


新しいコンセプトで京都・日本の都市を変革しよう。これからのすがたとして、市長や知事は建築家がすべき時期にきているのではないか!


《コモンズとしての地域空間》

_共用の住まいづくりをめざして_
著者:平竹耕三
発行:コモンズ
定価:本体価格2500円+税
A5 222p
4-906640-51-6
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私は京都市職員で、住まい・まちづくり行政に少し携わった経験などから、日本社会のボトムネックが土地問題にあることを痛感してきました。現在の不良債権問題は、その象徴的な現われ方ですよね。ですから、一刻も早く土地所有の呪縛から免れて豊かな生活を実現する方策をみんなが追求すべだと思います。
この本は、目次にありますように、松阪市の御城番屋敷、京都市の祇園町南側とユーコートの3カ所で行った聴き取り調査をもとに、土地を通して地域社会のあり方や共同の住まい方について考えるものです。これらの地域では、まさに「個有」より「共用」という言葉がぴったりくる取組みが行われており、人やものが循環していく仕組みを作ることとあわせて、豊かな地域社会を築くためには大いに参考になる実例といえるでしょう。私は人と人との関係性を大切にしつつ、住まいや生活の場である地域空間をコモンズ(=みんなのもの)として作り直していこうとの思いを込めて書きました。ぜひご一読いただき、ご意見をください。お待ちしています。
[平竹耕三 e-maile hiratake@city.kyoto.jp]
目次
はじめに
第T章 日本社会のゆがみと土地問題
 1 豊かさを実感できない社会
  一 所得・消費・労働時間
  二 土地に関する指標の動向
 2 土地問題の変遷と規制緩和
  一 土地をめぐる100年の変遷
  二 土地利用規制の緩和
 3 土地の所有・利用・脱市場化
  一 所有から利用へ
  二 金融政策の新展開
  三 土地の脱市場化
 4 地域研究と民際学
  一 地域社会の特質
  二 民際学の意義と方法
第U章 武家屋敷長屋の地域所有−松阪市「御城番屋敷」
 1 御城番屋敷の由来と苗秀社の歴史
  一 江戸時代から残る武家屋敷
  二 田辺与力騒動
  三 苗秀社の結成
  四 激動の20年
  五 合資会社苗秀社
 2 住み心地と観光化
  一 建物の住み心地
  二 居住者の現状と評価
  三 文化財・観光資源と日常生活
 3 地域主体としての苗秀社
  一 運営と合資会社の法的性格
  二 意義と限界
  三 コモンズとしての御城番屋敷
第V章 都心部における土地の地域所有−京都市東山区祇園町南側
 1 祇園の成り立ち
  一 祇園町南側
  二 明治維新の改革
三 土地の取得と祇園甲部の成立
  四 女紅場の変遷
 2 土地の所有と利用
  一 花見小路祇園の住民像
  二 土地利用の現状
  三 八坂女紅場学園の町なみ保存に関する取組み
  四 借地権の譲渡をめぐる紛争
 3 住民の意識
  一 建物への肯定的な評価
  二 居住地や事業地としての評価
  三 花見小路祇園の将来展望
 4 生活の安定の町なみの保存
  一 八坂女紅場学園の意義と限界
  二 コモンズとしての祇園町南側
第W章 現代の長屋づくり−京都市西京区「ユーコート」
 1 ユーコートの思想と建設のプロセス
  一 自己実現性を重視したコーポラティブ住宅
  二 ユーコートの思想
  三 竣工に至る経過
  四 建設途上における問題
 2 コミュニティとしてのユーコート
  一 入居者の概要
  二 コミュニティとしての基本的な考え方
 3 土地所有と土地利用
  一 区分所有
  二 住宅譲渡問題
  三 コモンズとしてのユーコート
第X章 コモンズとしての地域空間
 1 豊かな地域社会をつくる
  一 「個有」から「共用」へ
  二 共と公の協働
 2 公有地の拡大
 3 NPOが織りなす地域空間
  一 仕組みとしての地域自立
  二 地域社会における循環
あとがき