テクトニック・カルチャー

718号      722号


京都発大龍堂:メール マガジン通巻 720号


≪テクトニック・カルチャー≫
_19-20世紀建築の構法の詩学_
著者:ケネス・フランプトン
訳者:松畑強/山本想太郎
発行:TOTO出版
定価:本体4571円+税
23cm638p
4-88706-207-9

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<内容>
現代建築史界の偉大な航海者である評論家フランプトンが紐解く結構術(テクトニックス)の軌跡。建築が「物」の技芸であることを踏まえ、そのうえで建築の内在的な論理を「構法の詩学」という主題のもとに捉え返す。

テクトニック(結構)という言葉は、大工や建設者を意味するギリシア語のテクトン(tekton)という言葉を語源に持ち、それがやがてホメロス(古代ギリシア最古の叙事詩人)の頃には建設の技芸を、そしてサッフォー(BC612〜?)の頃には大工という言葉が詩人の役割をも獲得し、詩的な意味を持つにいたり、最終的には棟梁やアルキテクトン(architekton)に行き着くことになる。
本書では、建築界最後の碩学とも呼ばれる建築史家のケネス・フランプトンが、「結構的(テクトニック)なるもの」に対する考察を通し、グレコ・ゴシックとネオ・ゴシック(18〜19C)にはじまりシンケル(1781〜1841)ヴィオレ=ル=デユク(1814〜79)、ゴットフリート・ゼンパー(1803〜79)にいたるまでの建築史をあらためてたどり直し、現代(1994年)までの結構の軌跡を紐解いてみせる。史実を羅列するという単なる歴史書と異なり、近代・現代の建築家ライト、ペレ、ミース、カーン、ウツソン、スカルパらの建築を個別に論じることで、より魅力的な列伝的な読み物として展開している。そこには、スタイルの歴史とはまったく違う、より本質的な(建設の技芸としての)建築の歴史が浮かび上がる。 
<目次>
序文 ハリー・フランシス・モルグレーヴ(Harry Francis Mallgrave)
序章 結構的なるものについての考察
 
二章 グレコ・ゴシックとネオ・ゴシック
    ――結構形態のイギリスとフランスにおける諸起源
三章 結構の登場
    ――ドイツ啓蒙主義時代における本質形態と芸術形態(1750-1870年)
四章 フランク・ロイド・ライト
    ――テキスト・タイル(Text-Tile)の結構
五章 オーギュスト・ペレ
    ――古典主義的合理主義
六章 ミース・ファン・デル・ローエ
    ――アヴァンギャルドと継承
七章 ルイ・カーン
    ――近代化と新しいモニュメント性(1944-1972年)
八章 ヨーン・ウツソン
    ――汎文化的形態とその結構の隠喩
九章 カルロ・スカルパ
    ――ジョイントへの崇敬
十章 結語 結構の軌跡
エピローグ ミネルヴァのふくろう
あとがき  松畑 強  
<著者・訳者>紹介
■ ケネス・フランプトン
コロンビア大学建築都市修景学部ウェア終身教授。 1956年ロンドンAAスクール、1957年ARIBA卒業。イギリス、イスラエル、アメリカで建築家として勤務。1972-1982年ニューヨーク都市建築研究所フェロー。1974-1977年ロンドン王立美術大学シニア・チューター。ストックホルム王立工科大学名誉博士(1991)、カリフォルニア美術工芸大学名誉博士(1999)ほか名誉博士号多数。パリ建築アカデミー・メダイヨンドール賞ほか受賞多数。著書に『ModernArchitecture, A Critical History』(Thames and Hudson, 1980)、『American Masterworks, The Twentieth-Century House』(Rizzoli, 1995)ほか多数。
■ 松畑 強
1985年京都大学建築学科卒業、同大学院修士課程およびコロンビア大学建築都市修景学部修士課程修了。同客員研究員(推挙者:ケネス・フランプトン氏)などを経て、1999年松畑建築事務所設立。主な著訳書にビアトリス・コロミーナ『マスメディアとしての近代建築』(1996)、K. マイケル・ヘイズ『ポストヒューマニズムの建築』(1997)、『建築とリアル』(1998、以上鹿島出版会)、スチュアート・ホール+ポール・ドゥ・ゲイ編『カルチュラル・アイデンティティの諸問題』(2001、大村書店)など。
■ 山本想太郎
1991年早稲田大学大学院修士課程修了、同年より坂倉建築研究所在籍。同事務所にて設計に関わった作品として、「新宿サザンタワー・サザンテラス」、「東京国立近代美術館増改築」など。また建築関係雑誌などに執筆。主な賞歴に第24回セントラル硝子国際建築設計競技最優秀賞(1989年)、毎日学生住宅デザイン大賞(1990年)、新建築住宅設計競技2等入選(1997年)など。