環境の解釈学_建築から風景へ_

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京都発大龍堂:通巻2077号

《環境の解釈学》
_建築から風景へ_

編集:田路貴浩
著者:木村敏ほか
発行:学芸出版社
定価:[本体2,400円+税] 円
21cm238p
4-7615-2330
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哲学者フィリップ・ニスを迎えて「ミリュー(環境)」の解釈学をテーマに、2001年10月から2002年1月の間に開催された7回の連続セミナーの記録。日本の研究者、建築家との対談をまとめる。
<著者紹介>
〈田路〉1962年生まれ。京都大学大学院建築学専攻博士課程修了。明治大学理工学部建築学科助教授。工学博士。著書に「イギリス風景庭園」がある。
<目次>
・はじめに 「環境」ということ、「解釈学」ということ  田路貴浩
■環境とあいだ  木村 敏
〈あいだ〉の共有/〈あいだ〉の喪失と離人症/和辻哲郎の〈風土〉と自然/西洋の公園と日本の庭
【対談】私的領域の価値 西洋における〈自然〉の概念の変容/再考・人間と自然との関係/人間と歴史、自然、自由/西洋の庭と都市――パブリックな建築・プライベートな庭/科学の公共性と個人のプライバシー/〈自己〉と〈われわれ〉/日本人は公共的観念に欠けるのか

■環境とランドスケープ  三谷 徹
環境を風景に/三つのキーワード/モノではなくコトとしての空間〈つくば研究所の中庭〉〈空を映す屋上庭園〉〈イザール河オフィスパークの畑のパターン〉/大地から掘り出される空間〈「風の丘」のアースワーク〉〈播磨の原っぱ広場〉/支柱や散水をデザインする/伝統庭園のなかの工夫/農地という庭園
【対談】自然・詩・技術 アメリカの空間体験/プリミティヴィズムの感性/敷地のもつ文脈とメディア・言葉/土地を体験的にみることから出発する/ヨーロッパとアメリカのポストモダニズム

■環境と景観  中村良夫
環境はどのようにして景観になるか/場所と景観はどう違うか/人間の視野と身体の痕跡/連続的な空間に区切りを入れる/身体からひろがる景観/相互テキスト性/景観のクリスタリザシオン
【対談】―景観から風景へ 日本と西洋の庭・景観の評価/風景の解釈と言葉/ゼロ記号――記号の堆積とその放棄/禅の庭とゼロ記号/言語化できない「味わい」を言葉にする術/空間の古典とは何か/西洋の都市と日本の都市の伝統/はじめに庭ありき

■環境と建築  内藤 廣
契機――wTC崩壊/テクノロジーの一般性と人間のあいまいさ/建築――空気をつくり出すハードウェアとして/建築のオリジナリティー〈海の博物館〉〈安曇野ちひろ美術館〉〈牧野富太郎記念館〉〈倫理研究所富士高原研修所〉〈最上川ふるさと総合公園センターハウス〉
【対談】―建築に至る空間体験 モダンテクノロジーは「透明性」に向かうのか/コンテクストはわれわれのなかにある/建築物の存在感について

■環境・場所・世界 風土の美学  大橋良介
風土の美学――四つのエレメント/風の美学/水の美学/火の美学【対談】―文化の差異とコレスポンデンス 自然と文化の関わり方を問い直す/ギリシアのルーツに返る――自然の要素の詩学/コレスポンデンスをどこで見つけるか/日本の水経験、倫理観、清潔感について/西洋の水経験――エコ・シンボル/プラトンの詩的次元を探る

〈解題〉解釈学の地平における「環境」の問題フィリップ・ニス【訳】田路貴浩