本書は、ドイツの建築家、建築理論家ヘルマン・ゼルゲル(1885〜1952)が、1921年に「建築芸術の理論」叢書として刊行した建築美学の古典である。全編の構成は、歴史編において「建築美学の発端−ヴィトルヴィウス、アルベルティ」「シンケル、ゼンバー」「内容美学−カント、フィッシャー」「感情移入論−リップス、ヴェルフリン」「美的視覚の理論−ヒルデブラント」など建築家・理論家の具体的モデルをとうして論じる。 方法論において「美学、歴史、様式論」「美学の方法」「空間的芸術としての建築の本質」など哲学的かつ実践的に考察する。
応用編において「建築芸術作品の成立」「建築における目的と人間生活」「視覚印象と気分的価値−土地の神霊(ゲニウス・ロキ)」「美と国民性」「建築の教育問題」など生活・行政・教育・文化現象として位置付け、まさに綜合芸術としての建築のあり方を縦横に論じてあますところがない。巻末に芸術理論家ダゴベルト・フライの高名な論文「建築の本質規定」を付して、ゼルゲルの考察の高邁な本質を論じる。
ドイツの建築家、建築理論家ゼルゲルが1921年に「建築芸術の理論」叢書として刊行した建築美学の古典。綜合芸術としての建築のあり方を縦横に論じる。巻末に芸術理論家ダゴベルト・フライの論文「建築の本質規定」を付す。
<著者紹介>
〈ゼルゲル〉1885〜1952年。ドイツの建築家、建築理論家。 |