《SQUA tt ER》_スクウォッター 建築×本×アート_大島哲蔵
享年54歳、同志・大島氏が逝去され今月で一周忌になる。 なんとあまりのも早すぎた彼岸への旅立ちであろうか。聞くところによると彼の教え子達が新しい風─勉強会・実践を全国で興している。嬉しいかぎりである。 不出世の大島哲蔵氏が我々に遺した思想・言葉を今一度再検証することが、いま、我々に与えられた使命である。きっと、21世紀建築のデザインの動向がみえてくる。 |
《SQUA tt ER》 _スクウォッター 建築×本×アート_ 著者:大島哲蔵 発行:学芸出版社 定価:2,100円(2000円+税) A5・192P ![]() フライアー |
ロックンロールする批評>連射する言葉。 現代建築&建築家の批評,同時代の海外状況の紹介を,独特の文体で綴った批評集。建築の権威化に批判的な目を向け,建築家の在り方を根源性に問いかけてきた大島の文章は,現状にあきたらない建築家たちに刺激を与えてきた.また海外の最新動向を,その背景にあるものまで含めて解説していくスタイルは,若い世代のシンパシーをよんでいる。 |
<目次> 大島哲蔵:私はなぜスクウォッターなのか? ミース・ファン・デル・ローエ:ミースから見えてくるもの ゲルハルト・リヒター:強度を獲得する多重ボカシ ヘルツォーク&ド・ムロンほか:建築の芸術的退行 ピーター・ズントー:黙示するオブジェクト/サブジェクト ドナルド・ジャッド:ミニマリズムとアーバニズム―Donald Judd in Marfa イリヤ・カバコフ:ソビエト脱構成主義 イアン・ハミルトン・フィンレイ:詩的抵抗の庭―ストーニィパス ジェームズ・タレル:宇宙光線の直覚 ダン・グラハム:ナントのための迷宮―リフレクティヴな眩惑 R ・ミスラッチ,べッヒャー夫妻ほか:写真が発見する風景 トーマス・ルフほか:建築写真のヴァーチャリティ ルネ・ブッリ:素顔のコルビュジエ(本当に?) ル・コルビュジエ:コルブのパトロン ル・コルビュジエ:自演されたPassion Play (受難劇)そしてResurrection (復活)―コルビュジエ議論の現況 コーリン・ロウ:コーリン・ロウ再考―堕落天使の夢 マンフレッド・タフーリ:批評者のテクスト―浅海に没した〈弁証法〉 ドミニク・ペロー:ガラスとメタルの政治学 ザウアーブルック&ハットン:WYSIWYG とは何? バックミンスター・フラー:地球号の世紀末,そして一抹の光明 川合健二:特殊解か,同時代の「古典」か? ルイス・カーン:斜視の虎―ダッカの議会堂 アドルフ・ロース:倫理(エチカ)と官能(エロス)の挟撃 ルートヴィッヒ・ヒルベルザイマー:建築の無化としてのアーバニズム ルドルフ・マイケル・シンドラー:奔流はどこにも帰属しない コープ・ヒンメルブラウ:身体性のアヴァンギャルド アンソニー・ヴィドラー:ホームレス,そしてフォームレス レム・コールハース:過渡期の意識化 アルド・ファン・アイク:アムスの“特性のない男” コンスタン・ニウヴェンホイス:幻視されたエンドレス・シティ ヨナ・フリードマン:地に足がついたメガストラクチュア 大島哲蔵アーカイブ:あとがきに代えて(心のスクウォッター) |
<大島哲蔵(おおしま・てつぞう)プロフィール> 1948 年兵庫県生まれ.東京外国語大学ロシア語学科中退/ 1976 年より名古屋にアート・ブック(洋書輸入販売業)設立/ 1985 年頃より翻訳,批評,講演活動の傍ら,エキシビション参加,建築及び美術のプロデュースを行う/ 1992 年より名古屋にスクウォッターの名で店鋪を開設.その後,大阪店も開設/ 1999年より成安造形大学,近畿大学,大阪市立大学,名古屋芸術大学の非常勤講師/ 2002 年6 月逝去(享年54歳) |