建築の終わり_70年代に建築を始めた3人の建築談義_

1593号      1598号


京都発大龍堂:通巻1596号

《建築の終わり》
_70年代に建築を始めた3人の建築談義_

編集:ギャラリー・間
著者:岸和郎、北山恒、内藤広
発行:TOTO出版
定価:2,310円(本体2200円+税)26cm214p
4-88706-221-4
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ニューヨーク、ワールド・トレード・センターの消滅とスペイン、ビルバオのグッゲンハイム美術館の誕生を通低和音として、70年代以降の建築や社会を批判的に振り返り、「建築」の本質や今後の可能性を語った建築談義。
ニューヨーク、ワールド・トレード・センターの消滅とスペイン、 ビルバオのグッゲンハイム美術館の誕生――このふたつの事件は「建築の終わり」を示唆するのか。それとも「建築」は新たな始まりを迎えているのか。 社会と自分のあり方を冷静に見つめられるようになった今だからこそ、本音で語りたいと1950年生まれの建築家、北山恒、岸和郎、内藤廣が集まった。
本書は彼ら3人による3回の公開セッションと、公開セッション後の座談会をまとめたものである。現在、日本の建築界をリードする3人それぞれがナビゲーターを 務めた公開セッションでは、お互いが話を引き出すことによって、建築や社会に対しての考え、建築家としての姿勢などが語りつくされた。 3人は幼少時代の建築体験や卒業設計についてを語りながら、建築を始めた原点を振り返る。また彼らがライブ感覚で接し、 強い影響を受けた70年代思想(建築論・社会論)を顧みる。思考し、主張することが不可欠であった70年代という熱い時代を問い直すことで「建築」の本質についての 議論の重要性を、建築を志す今の若者に向けて投げかけている。そして随所に挟み込まれた、90年代に建築を始めた2人の若手建築家による 「建築談義オリエンテーション」では、建築談義内の主だった話題を掘り下げ解説している。
<目次>
はじめに  北山 恒
セッション1 卒業設計と現在 ナビゲーター:内藤 廣
 開講にあたって|北山恒の卒業制作|北山恒の現在 (T・N HOUSE)|岸和郎の卒業制作|岸和郎の現在(下鴨の家)|70年代のバイブル「建築の解体」|80年代の大学キャンパス|神様が宿った建築
建築談義オリエンテーション:70年代建築思潮/70年代建築思想
セッション2 消費されるイデオロギー ナビゲーター:北山 恒
 消費されていく建築の言説|24歳の内藤廣の「月評」|北山恒の気になっていた建物、初めての海外旅行|岸和郎の気になっていた建築、初めての海外旅行|学生闘争の時代|内藤廣の気になっていた建築、初めての海外旅行|70年代における多様な言説|70年代以降、めめしくなった建築家|何を拠り所に建築をつくるか|エッジに立つ建築談義オリエンテーション:磯崎新の呪縛/建築批評誌『オポジションズ』
セッション3 東京(京都);BILBAO/NEW YORK ナビゲーター:岸 和郎
 東京(京都);BILBAO/NEW YORK|北山恒の「東京(京都);BILBAO/NEW YORK」|内藤廣の「東京(京都);BILBAO/NEW YORK」|内在化されたシンボルとしてのWTC|ビルバオをどう評価するか|都市の脱イデオロギー化|3メートルの建築家の良心|意気地なしの時代の建築|モダニティ―近代的人間と近代技術の契約関係|ニューヨークとWTCと東京の地下鉄|アーキテクチュアとアーキテクト|建築のもつダブルバインド建築談義オリエンテーション:建築の商品化とメディア化/意気地なしの風景
セッション4 建築は新たな始まりに向かって
  終わりを迎えた「建築」とは何か|真正フランス料理とヌーヴェル・キュイジーヌ|「人間」より高位に位置する「建築」概念とは|市民社会という幻想の終わり|小さな自由と大きな不自由|デザインという麻薬|共同体幻想に訴えかける内藤建築|消費されにくい建築|建築という概念に、建築家という概念は含まれる|「建築の終わり」に何が見えるか建築談義オリエンテーション:建築の「終わり」と「始まり」/彼らは何を越えて語りかけようとしているのか
著者紹介
■岸 和郎(きし わろう)
1950年神奈川県生まれ。1973年京都大学電気工学科、1975年同大学建築学科卒業。
1978年同大学大学院修士課程建築学専攻修了。1978-81年黒川雅之建築設計事務所勤務。1981年岸和郎建築設計事務所設立。1993年岸和郎建築設計事務所をK.ASSOCIATES/
Architectsに改組改称。現在、京都工芸繊維大学造形工学科教授。主な受賞に、「日本橋の家」で1993年JIA新人賞、1995年日本建築学会作品選奨、ケネス F.ブラウン・アジア太平洋デザイン賞功労賞、1996年日本建築学会賞、「園部SDオフィス」で1996年日本建築学会作品選奨、「stadium600」で2002年愛知まちなみ建築賞受賞など。

■北山 恒(きたやま こう)
1950年香川県生まれ。1976年横浜国立大学建築学科卒業。1978年ワークショップ設立(共同主宰)。1980年横浜国立大学大学院修士課程修了。1987年同大学専任講師。1995年同大学助教授、architecture WORKSHOP設立主宰。1997年〜日本女子大学非常勤講師。現在、横浜国立大学教授。
主な受賞に、「HOUSE IN HOUSE」で1996年東京建築士会住宅建築賞、「白石第二小学校」で1997年建築学会東北建築賞作品賞、BCS賞、1998年日本建築学会作品選奨、「Lime House」で1998年東京建築士会住宅建築賞、「Z-House」で2001年東京建築士会住宅建築賞受賞など。

■内藤 廣(ないとう ひろし)
1950年神奈川県生まれ。1974年早稲田大学建築学科卒業後、同大学大学院にて吉阪隆正に師事、1976年同大学大学院修士課程修了。フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所、菊竹清訓建築設計事務所を経て、1981年内藤廣建築設計事務所設立。2001年〜東京大学土木工学科助教授。2002年12月より同大学教授。主な受賞に、「海の博物館」で1993年芸術選奨文部大臣賞、日本建築学会賞、吉田五十八賞、「牧野富太郎記念館」で2000年村野藤吾賞、IAA国際トリエンナーレグランプリ、毎日芸術賞、BCS賞など。
執筆協力
■日埜直彦(ひの なおひこ)
1972年茨城県生まれ。1994年−2002年アークスコーベ勤務を経て2002年日埜直彦建築設計事務所開設。
■笠原一人(かさはら かずと)
1970年神戸市生まれ。1998年京都工芸繊維大学博士課程終了。現在、京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科助手。共著に『近代建築史』(昭和堂)、『関西のモダニズム建築20選』(淡交社)、『建築MAP大阪/神戸』、『建築MAP京都』(TOTO出版)ほか。