Mの憂鬱


RAIDとダイナミックディスク

このページは以下のような文章構成になっています。

  • RAIDとは何か?
  • 複数のHDを1ドライブ扱いにしたい理由
  • 擬似RAID ダイナミックディスク
  • ダイナミックディスクの種類
  • ダイナミックディスクへのアップグレードの流れ
  • スパンボリュームにした感想
  • まとめ

電化製品屋で売っているパソコンというのは一般向けの装備をしており、今となってはどのメーカでも大きな違いもなくそこそこ動く。しかし、その汎用パソコン売り場では絶対見かけないスペックの1つにRAIDがある。

RAIDとは何か?

Redundant Arrays of Independent (Inexpensive) Disks

強引に日本語読みするならレイドである。強引に通訳くんフィルタを通すと「不必要なずらりと並んだ独立した(高価でない)ディスク」という訳なった。

RAIDとは、ハードディスク構成の名称と表現したほうがわかりやすいかも知れない。
ハードディスク複数台を連動させるように構成するのだが、その中でもまたいろいろ種類がある。以下に用意した画像はDELLのPowerEdgeシリーズを説明する動画の一部である。サーバー機はたいていRAID構成になっており、一般に売られているIDEハードディスクではなく、画面のようにパソコン本体から見えた脱着が容易な形態。なおかつハードディスクが3台1組で連動しており、サーバー機として売られているものだと、3連ハードディスク稼動中にその1台を抜いてもパソコンは問題なく動きつづける。この画像は、ハードディスクが縦向きに3台収まっており、パソコンの電源をつけていながらも右側の1台を抜いてもOSは止まらず動きつづけますよ、という実演をしている場面である。

稼動中のハードディスクを引き抜く瞬間

なぜこんなことができるのか。
それは、例えば容量20GBなら、20GBのハードディスク3台を同時に動かしてバックアップを同時にやっているからである。つまり、20GBのRAID構成をするために20GB×3台を用い、あと2台の40GB分は捨てハードディスクとして使われているのである。3台のうちどれか1台のハードディスクが壊れた時に、この構成が本領を発揮する。
これは、OSを止められない事情がある作業や重要なファイルを扱う法人向けの構成であり、個人が利用する範囲では冗長というべきか、やりすぎである。

複数のHDドライブを1ドライブ扱いにしたい理由

前述したようにRAID構成はいろいろな種類がある。
上記の説明はセキュリティ面を重視した構成方法であり、他の構成方法もある。先ほどの具体例を用いると、20GB×3台のハードディスクがあるならば、OSでは3ドライブ分として認識される。たいていC〜Fドライブといったところだろうか。これを1ドライブとして認識させるのもRAID構成の1つである。
今回の例なら20GB×3台のハードディスクを60GB×1ドライブとして融合してしまうのである。

C〜Dドライブを1ドライブに見立てて、使用量と未使用量を比較する。この構成の特徴は余りの有効活用にある。
20GBのハードディスクといっても20GBきっちり使えない。たいてい使用率が90%以上になるとユーザもそろそろハードディスク増設しないと駄目だなぁと考えるだろうし、残り1%ともなればOS側がいろいろ警告メッセージを出してくる。この微妙な余りは、多数ドライブを抱えているスペックほどロスも多いだろう。ならば、各ドライブにあるハードディスクが1ドライブとして認識されていたら、1ドライブ毎の余りの総容量は当然少なくなる。

この画像は、C,D,Eドライブがかなり容量いっぱいになってきた図と、同容量で同使用量をCドライブ1本に融合した図の比較である。青色で示した部分が使用量で、紫色が未使用量。左側の3ドライブ分を忠実に足し合わせたものが右の1ドライブになる。
この余り感の違いがわかるだろうか?
少しづつの残り容量も1ドライブだったら致命的な問題の残量ではないということ。ドライブがたくさんあればあるほど、最後まできっちり使いきれるところに魅力があるとは思えないだろうか。


ハードディスクドライブが2ドライブ分しか表示されていないことを示す

上の画像は、僕がファイルサーバーとして使っているパソコンのマイコンピュータ画面である。ボリューム名に1st_HDD(C:)2nd_HDD(E:)の2ドライブがある。すると普通なら2台のハードディスクがあるのだな、と思うだろう。しかし実は1st_HDD(C:)には3台、2nd_HDD(E:)には4台のハードディスクが繋がっているのである。
1st_HDD(C:)は6GB×3のRAIDカードを実装したハード的なRAID構成。2nd_HDD(E:)は一般に売られてるIDE80GB×2台と120GB×2台を、Windows2000のOS上で擬似的にRAID構成したものである。

今回はこの構成方法を説明するために長々と前置き説明をしていたわけである。では本題に入ろう。

擬似RAID ダイナミックディスク

ここからの話は、ZDNetの解説を見ながら実際に試したものをレポートするものなので、わかりやすいスクリーンショットは用意していない。詳しい構成方法は、ZDNetサイトを参照して欲しい。

今回は全ハードディスクドライブをダイナミックディスクのスパンボリュームにアップグレードした話。
擬似RAID(正式にはソフトウエアレイド、マイクロソフト独自の名称がダイナミックディスク)構築をするためには、それなりに条件がある。

2ドライブ目は、実は4つのハードディスクで構成されていることを示す「コンピュータの管理」画面

通常のハードディスクの種類はベーシックと呼ばれている。それをダイナミックディスクにアップグレードするには、コンピューターの管理画面のディスク0〜ディスクXと書いてある部分で右クリックすればアップグレードをする項目が出てくる。ベーシックからアップグレードする行為自体はフォーマットする必要も既存DATAが消去されることも無いので、安心してできるはずである。その解説もZDNetのほうが詳しい。
そしてダイナミックディスクのなかにもボリュームの種類があるという位置付け。

ダイナミックディスクの種類

ZDNetの解説を引用して、ダイナミックディスクの種類と解説を挙げておこう。

シンプルボリューム
ベーシックのハードディスクと同じ扱い。特徴もない。
スパンボリューム
今回説明するボリューム。物理的に複数台あるハードディスクを1ドライブとして認識させる。ハードディスクの融合は、各ハードディスクの余りを有効に使える。2台以上のハードディスクがないとスパンボリュームにはアップグレードできない。
ストライプボリューム
ハードディスクに分散書込することで処理速度を高めるもの。複数のユーザが1つのドライブにアクセスをする場合に有効であろう。2台以上のハードディスクがないとストライプボリュームにはアップグレードできない。
ミラーボリューム
同時バックアップ。20GB×2台をミラーボリュームにアップグレードすれば、使用できる容量は20GBで、残りの20GBはバックアップ用として使われる。つまりハードディスクが実質書き込める容量は減るということ。2台以上のハードディスクがないとミラーボリュームにはアップグレードできない。
RAID-5ボリューム
ミラーボリュームのさらにセキュリティアップしたもの。本格的なRAID構成と似ている。3台以上のハードディスクがないとRAID-5ボリュームにはアップグレードできない。ここまでするならRAIDカードを買って、ハード的にRAID構築すればいいと思う。

どのボリュームが適当かは用途による。
セキュリティ面で向上させたい場合にはミラーボリュームかRAID-5ボリューム。ハードディスクの書込速度を向上させたい場合にはストライプボリューム。複数ドライブをひとまとめにしたい場合にはスパンボリューム。ストライプボリュームにしてもスパンボリュームのように1ドライブに統合できるかどうかは、実験してないため不明。(実際にやった人は、どうなったか教えてください)1ドライブ扱いできるならスパンボリュームよりストライプボリュームの方が魅力的かも知れない。

ダイナミックディスクへのアップグレード変換の流れ

この話が肝かも知れない。
ZDNetでは、この辺の話がなんとなく省略されていて作業が止まってしまった。

ベーシックからダイナミックディスクにアップグレードする行為自体はフォーマットする必要も既存DATAが消去されることも無いので、安心してできるはずである。
一番最初にアップグレードしたときは、複数台のダイナミックディスクが存在していないので、シンプルボリュームしか選択できないはずである。2台目のハードディスクもダイナミックディスクに変換し、共に領域を削除して未使用の領域状態にする。それから再びボリュームの割り当てをしたときに始めて選択肢が出てくるだろう。また、稼動中のドライブを上手くアップグレードするためには、1ドライブ分を空にできないと難しい。ハードディスク容量がまだなにも無いときにアップグレードすることが望ましい。
また、一度ダイナミックディスクにすると元に戻せないことも忘れないで欲しい。シンプルボリュームなどは元に戻す必要もないが、今設定したボリュームを他のボリュームにするときは、そのドライブの中身を一旦破棄する(既存DATAが消去される)ので注意するべきである。

ハードディスクそのものの安全性

スパンボリュームとストライプボリュームは複数台にまたがってアクセスする構築なので、物理的なハードディスクのどれか1つが壊れると、そのドライブは全部アウトになることも知っておくべきである。個人的には、ハードディスクが壊れたという経験もなく、本当に重要なファイルはCD-Rでバックアップしているので、気にするレベルでもない。しかし一度でもハードディスクを壊してファイルを失った経験のある人は、精神的にやめておいた方が良いだろう。ハードディスクへの捕らえ方は人によってまちまちかもしれない。
ハードディスクが壊れる原因は、実は「よくわからない」というのが現状
民間治療的には、ハードディスクからの発熱を上手く逃がせばよいとか、電源不足とかいろいろ言われているが、その根拠となるメーカーからの発表を見たことがない。リコール商品を除いて、あとは運としか言えない。

スパンボリュームにした感想

今回は4台あるIDEハードディスクを1ドライブとして認識させる話をした。その正直な感想も書いておこう。

総評は「普通」。
スパンボリュームは、飛躍的に効率が上がるものではない。ストライプボリュームやミラーボリュームならもう少し恩恵あるかも知れない。もっと本格的に導入したい場合はハード的にRAID構成にすればよろし。

まとめ

  1. RAID : Redundant Arrays of Independent (Inexpensive) Disks レイド
  2. Disk array ディスク・アレイ
  3. ホットプラグ可能なハードディスク

これらの言葉は細かな違いがあるようだが、ほぼ同義語と思ってよい。
本来のRAIDは、RAIDカードでハード的に構築するものである。今回のRAIDは、ソフト的に構築したもの(ソフトウエアレイド)であり、ダイナミックディスクとマイクロソフトが命名している。ただRAIDのレベルとダイナミックディスクのボリュームは名前こそ違うが良く似た性格を持っている。

ボリュームとRAIDレベルの比較(ちょっと怪しい)
ダイナミックディスク RAID
シンプルボリューム なし
スパンボリューム 基本的に1ドライブ扱いとなる
ストライプボリューム RAID-0 RAID-3
ミラーボリューム RAID-1 RAID-3
RAID-5ボリューム RAID-5

3ドライブ分をRAID構成にした以上、OS上で3ドライブが表示されることはないので、スパンボリュームと同じ役割を持つRAIDレベルは無い。冒頭で紹介したDELLサーバー機は、たぶんRAID-5の構築だろう。2重コピーをしないRAIDレベルでは、冒頭の画像のように電源を入れたままハードディスクを抜いてはいけない事も理解できたであろう。また、ここに表記していないRAIDレベルは、企業独自のものであったり、実用性がないレベルのために使われていない。RAIDレベルを説明するサイトをいろいろ探ってはみたものの、てんでバラバラで信憑性がない。ただ、不必要なまでに(冗長的に)構築してこそ初めてRAIDと呼ばれるものかもしれないので、冗長性を持たせていないスパンボリュームはRAIDの定義から少し外れているのかも知れない。

細かいドライブがたくさん出来て管理が大変なユーザは、ダイナミックディスクを導入してみてはどうだろうか。

RAIDとダイナミックディスク 2002年10月4日)


最終更新日 2002年10月14日
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