Mの憂鬱


露出に泣かされる-外編-

「素人の大当たり」って奴でしょうか?

今までは何の問題も無く撮影してきたのだが、どうも最近綺麗な写真が撮れなくなってきた。露出設定の壁に当たったようだ。まずは、失敗写真を見て欲しい。左側は仕上がってきたフィルムを限りなく忠実に再現したもの。右側はフォトショップで修正を施したもの。

色修正の施しようがない仕上がりになった三十三間堂色修正の施しようがない仕上がりになった三十三間堂
色が飛んでしまってるので色修正の施しようがない 三十三間堂

社寺仏閣などは、軒が出ているのと基本色が暗いために軒裏の組物の撮影が難しい。それを何とかして撮ろうとして一番暗いところに露出を合わせてみた。今度は空の色が飛んでしまう。これなら、建物の一番明るいところに露出を合わせるべきだった。

色修正の施しようがない仕上がりになった清水寺色修正の施しようがない仕上がりになった清水寺
色が暗すぎて色修正の施しようがない 清水寺

前回の失敗を教訓に建物の一番明るいところに露出を合わせようと試みる。大屋根に露出を合わせて撮影したらご覧のありさま。ひょっとしたら空に露出を合わせたのかも知れない。

そんな露出設定に泣かされるのであるが、「こんなものさ。」なんて現状で満足してはいけない。
僕はいつも原因と対策を考える。

カメラがものすごく考えて露出を決定しているとは到底思えない。単純に白けりゃ暗く写そうと頑張り、黒けりゃ明るく写そうと頑張り平均化を目指しているだけなのだろう。
たまに建築雑誌を見ていて、「おいおい、そんな青い空は現実にないだろうに・・」と思うほど群青色に仕上げてくる写真がある。その分析から始めてみた。青い空の分析は前回にも紹介したが、今回はもうちょっと突っ込んで考察してみる。どんどんカメラ小僧だ。

あの現象が起こる建物のほとんどは白っぽい建物が多い。ファインダーに白がほとんどを占めるから、普通に撮れば色が飛んでしまう。そのためにアンダー気味に仕上げて白壁がちょうど良い写りになるのだろう。アンダー設定なのだから、空もアンダーになる。だから必然的にあそこまで群青色になるのである。

今度建築雑誌を見る機会があれば見て欲しい。僕はあの群青色の空になってる写真を勝手に「バキ青」と言ってるが、そのバキ青になってる写真は、白壁やメタリックもの、また反射して眩しいくらいの明度の高い部分がどこかにあるはずだ。そして、もしそんな明るい壁がないような写真の空は、僕たちが一般に見ている空の色に近い状態になっているはずだ。
バキ青の作り方は、建物のどこかに明度の高い部分がなければならない。そこを目掛けて撮影しようとすると、カメラは色が飛ばないように(適正露出になるように)暗く撮影しようとする。すると全体的にはアンダーの撮影となり、肉眼では絶対見られない空の色、つまり「バキ青」を作り出すのである。
その証拠に社寺仏閣での「バキ青」は、まず見たことがない。アンダー仕上げで軒裏の組物は絶対撮れないだろうし、組物を見せられないのでは社寺仏閣の建築写真として何の役にも立たない。それ以外の建物でも、バキ青になったものの、影部分が真っ黒になっていて暗い部分がさっぱり分からないというのも、はっきり言って失敗だろう。

「バキ青!」
青い空が撮影できた状態
建物の一番明るいところに露出を合わせて撮るんだ!そういう意味でこういう建物は撮影が簡単なのさ。

肉眼で見る青
暗い部分に適正露出がされたため、青い空にならなかった状態
軒裏が見えるように露出をあわせたのだから、この空の色が限界。見せたい場所によっては、「バキ青」にこだわってはいけない

露出設定が違うとこれだけ仕上がりが変わってくる、という実験をしてみた。

暗い部分に適正露出されると、全体的に明るくなる中間的な明るさのところが適正露出になると、バランスが良い

上の2枚写真の写真は同じ場所ながら、わざと適正露出スポットを赤い矢印に合わせて撮影したもの。左の写真は軒の影の部分が適正露出になるように撮影したから、それより明るい妻側の壁面は色が今にも飛んでしまいそうである。右の写真は妻側の壁面が適正露出になるように撮影したから、とうぜんそこより暗い場所は、もっと暗くなる。これでバキ青になる原理が一目瞭然。


最終更新日 2002年02月01日
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