一眼レフを触っていると、コンパクトカメラには出てこない用語が沢山出てくる。
中でも必須キーワードは
近眼の世界をご存知だろうか?
授業中、ノートは見えても黒板はボヤけて見えない。しかし視力が0.5ぐらいなら頑張れば黒板の文字も読むことが出来る。どう頑張るのか?それは目を細めるのである。友人が向こうから歩いてきて声をかける。がしかし彼はメンチを切った、という経験は無かっただろうか?彼は好きでメンチを切ったわけではなく、ただ相手が誰か見えないのであって、目を細めただけなのである。不思議なことに眼を細めると見えるのだ。
もうひとつ、暗いところから明るいところへ出たときに目を細める。これはまぶしさを軽減するためであることは言うまでもない。
カメラのレンズはこれらと同じ仕事をしているようなもの。

絞り値を変えると、猫の目のように瞳孔の大きさも変わる。暗い部屋で見る猫の目はどれだ?
レンズに書いてある絞りの数字を小さくすると画像の左のように瞳孔が開いた状態になる。逆に数字を大きくすると画像の右のように閉じた状態になる。
絞り値を小さくするということは、言わば裸眼状態。
ある距離は鮮明に見えても他の距離にある部分はボヤけてしまう。逆に絞り値を大きくすると、どこを見てもピントがあっているが、目を細めた状態なので光が十分入ってこない。では、光を沢山入れて絞り値を大きくすれば、どこを見てもピントの合っている写真が撮れるのではなかろうか?
| 絞り値 | (F=) 27 22 19 16 13 11 9.5 8 6.7 5.6 4.8 4.2 | |
|---|---|---|
| 写真 | ![]() |
![]() |
| 絞り値を | 大きくする | 小さくする |
| 絞りを | 絞る | 開放する |
| シャッター速度 | 遅くしないと光量が足りない | 速くてもOK |
| 鮮明度 | すべて鮮明 | ある距離だけ鮮明 |
| 用途 | 建築・風景写真向き | ポートレート向き |
その通り!
そのためにシャッタースピードがある。レンズの絞りを開放すれば光は沢山入ってくるからシャッタースピードは速くでもOK。逆に絞り値を絞り込むと光が入ってこないから、シャッタースピードを遅くしなくてはならない。
シャッタースピードを遅くするということは、光がフィルムに当たっている時間が長くなるということ。そのときにカメラを動かしてしまえば「手ぶれ」現象が起こるわけである。
建築写真はどこを見てもピントが合っている状態が好ましい。ということは、絞り値を大きく設定する。ということは、シャッタースピードを遅くして光を沢山入れないと出来た写真が暗いものになってしまう。これが露出。

絞り+シャッタースピード=露出の決定
適正露出。今自分の目で見ているその明るさを写真で再現するために絞り値とシャッタースピードを調整する。
逆算するなら2パターンの方法がある。
僕なら、手ぶれを起こさない限界シャッタースピードは1/30秒。それを考慮してレンズの目を細めてゆく、つまり絞り値を徐々に上げてゆく。それでファインダーをのぞいて「その絞りならこのシャッタースピードで撮りますよ〜」とカメラは表示するので、シャッタースピードが1/30秒になるまでどんどん絞るわけだ。

露出設定が室外になったため絞り値を大きくして鮮明な写真が撮れるが、室内は暗くなる。
もうひとつは、先に絞り値を決めてしまう。最高に絞れる事に越したことはないが、それではよほど晴天でないとシャッタースピードが1/30以上にならない。このカメラは絞り値F=27、22、19、16、13、11、9.5、8、6.7、5.6、4.8、4.2とあるが、今のところF=16に設定しておく。そしてシャッタースピードが1/30秒以下になったときだけ「手ぶれ」を起こさぬように気をつけ、それ以外はいつでも鮮明な写真が撮れるということになる。室内など1/30秒以下になる場合には絞り値を小さく設定しなおすのだ。

露出設定が室内になったため、絞り値を小さくしないとシャッタースピードが遅すぎて撮れなくなる。
その結果「手ぶれ」は起こしていないが、絞り値が小さいためなんとなく全体的にボヤけた写真になる。
昔のカメラは絞り値とシャッタースピードを勘でやってのけた。しかし最近のカメラは勝手に適正露出を計算してやってくれるので、まず大きな失敗はない。かといってこんなオートマチックなカメラを完全マニュアルで操作するには、そのボタン配列が上手く出来ていないため、シャッタースピードもしくは絞り値のどちらかをカメラに任せてしまう方が便利なのである。