9期の活動のまとめ/10期の方針

●はじめに

 9期の活動を振り返ってみて、その中で特筆すべき活動は英文ニュース・レターの発行とサンロケ・ダム問題への取り組みではないかと思います。
 とりわけサンロケ・ダム問題での活動は、CFFC10年の歴史の中でも、新しい活動領域− 重要な位置を占める活動になってきています。
 北部ルソン(コルディリェラ)の先住民組織・CPAの要請に応えるものとして、また、日本政府の開発援助の内実(融資のあり方)を問うものとして。 日本輸出入銀行への働きかけは、他のNGOや国内のダム問題に取り組む人たちと協力しながら取り組んでいます。


《現地組織との直接の関係作り》
 第8回総会で、「フィリピン現地組織とCFFCの直接の関係作り」を掲げました(それ以前は、ACCEに協力していただいていたので、現地からはCFFCの独自性・活動が少し見えにくくなることもありました)。
 96年春以降、年数回の事務局派遣、ツアーでの訪問、そして9期からは英文ニュース・レターの発行を行ってきました。これらを通じて、「直接の関係作り」は、少しずつ進んできています。  

《パヤタスのセンター活動再開》
 一旦休止していたセンターも、今年に入ってから「ピープルズ・センター」と名称を変更して活動を再開しています。デイケアを活動の一部としながら、地域住民へのセミナーや技術訓練など、多彩な活動を行っています。
 住民組織(サンカップ)は、役員選挙を行い、新役員の方を中心にセンター活動に積極的に参加されています。
 私たちにとって、現地組織による「デイケア・センターの一旦の停止」の決定は、日本人組織の「現地組織との関係の作り方」「援助のあり方」について考えさせられるものでした。
 とにかくこの経験を、今後の活動に生かして行きたいと思います。

《スタディ・ツアー》
 春はコルディリェラに、夏はマニラ首都圏とカラバルソン地域を訪問しました。
 いずれも小人数で、ハードな行程でしたが、多くの人々と交流でき、有意義なツアーでした。8月のツアーでは、互いの交流ということで、少しでしたが日本の問題(在日・滞日外国人問題)を説明する機会がありました。
 ツアーでの課題は、「日程の早めの設定」と「通訳の確保」です。

《ツアーのアレンジ》
 より多くの人々に、フィリピンの現状を知ってもらうため、フィリピン訪問(私たちの関係のある地域・団体へ)のアレンジを行っています。
 9期は、学生のODA(パンパンガ・デルタ)調査ツアー、つくばライオンズクラブと久保田ゼミのパヤタス訪問をアレンジしました。

《政府開発援助(ODA)問題での取り組み》
 サンロケ・ダム建設やパンパンガ・デルタ開発など、住民が中止を求めているプロジェクトがあります。こうした問題のある日本のプロジェクトを中止させるために、日本国内でのキャンペーン活動と、現地組織への情報提供を行っていきたいと思います。
 こうした活動を通じてODAによる被害者(都市貧民・農民・先住民が大規模プロジェクトによって人権・居住権を無視した立ち退きを迫られています)を減らすこと。さらにODA改革を進めることができればと思います。

《会報「こどもの未来」100号を突破!》
 9期中に、100号を迎えました。100号目からそれまでのB5サイズ(12ページ) から一回り大きいA4サイズ(8ページ)にしました。
 今後も「豊富な内容、わかりやすい紙面」を心掛けて、フィリピンの人々の生活、NGO・現地組織の活動紹介、開発援助問題、私たちの活動などについて発信していきたいと思います。
 皆さんからのお便りや投稿も待ってます。

《英文ニュース・レターの発行》
 9期に入ってから、城陽市の松田さんたちに協力していただいて、会報を英訳しています。
 フィリピンの人たちに、「CFFCとは何か」を理解してもらうのは、簡単なことではありません。
 「現地組織との直接の関係」を作るためには、私たちが相手の状況を見聞きするだけでなく、私たちの方から、積極的な発信をすることが必要です。私たちが、何を考え、どういう活動をしているのかを知ってもらう必要があります。私たちがどういう団体なのかを分かってもらえずして、よい関係ができるはずがありません。
また、私たちが連絡を取っているフィリピンの団体・個人も、以前に比べれば広がってきていました。まさに英文ニュースの発行は、必要に迫られていました。
 英文ニュースの発行を通じて、現地の人たちに、CFFCとは何かを理解してもらえれば幸いです。

《写真展「こどもたちの未来に」》
 8期から始めた写真展(小川省平さんがツアーに参加して撮りためたスラムの人々など)。
 9期は、関西大学・羽衣学園・花園高校・八日市市の平和堂・タカラブネ神戸工場・井出町いずみ隣保館などで行っています。
 この他に、バザーや支援物資集めの際にも(砺波高校・蜂ケ岡中学)、今回のパネルの一部や以前の「スラムの子どもたち」の写真パネルを活用していただいています。

《民芸品販売/マグダレナ・タオルの販売》
 マグダレナの女性たちの生計プロジェクトとして行われているタオルの販売にご協力ください。販売にご協力いただける方は、ぜひ、ご連絡ください。

《NPO法施行に対して申請は行いません》
 今年12月からNPO法が施行されます。これに対してどうするのか、事務局で話し合ってきました。
 結論的には、手続きは行いません。現状では、手間とお金がかかるだけで、私たちにとっては何のメリットもないからです。「団体の信用性」が言われていますが、それは、私たちの実際の活動によって築き上げていきたいと思います。


●最後に

 昨年と同じく次の言葉で締めくくりたいと思います。
 「私たちが今取り組んでいる支援や連帯の活動が、子どもたちの時代に花を咲かせ、実りを迎えることを信じて。今年一年一緒に頑張っていきましょう!」


《役員体制》
 代表世話人 服部 恭子
 事務局長  藤原 敏秀
 事務局員  若干名
 会計監査  2名


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