2008/11/06
天皇賞(秋)
 立冬まであと数日と報道されていました。朝晩もすっかり冷え込むようになりましたが、日中は二桁の気温を示す時もあります。皆さんは寒暖の差に注意をしながら日々を過ごされていると思いますが、栗東TCでも各厩舎競走馬の飼養管理に努めています。

 「第138回 天皇賞(秋)GⅠ」が晩秋の府中の杜で行われました。
出走馬全馬が重賞ウイナーで、最強の古馬牝馬と今年のダービー馬ディープスカイの参戦で12万人以上の観衆の前で白熱したレースが展開されました。
レース内容については皆さんもご存じと思いますが、ゴール前の壮絶な叩き合いには関係者ながら鳥肌が出るほどの興奮を覚えるとともに歴史に残る熱戦だったと思います。この接戦が13分間の長い写真判定となり、レコードタイムでの決着の結果、ウォッカの頭上に勝利の王冠が輝きオーナーの谷水氏には天皇杯が授与されました。
今年の天皇賞(秋)は入場人員・売り上げとも昨年比増で多くのファンの関心を集めました。出走メンバー構成が功を奏した結果と思いますが、今後も魅力ある競馬を提供する上で再認識したレースだったと思います。
私の厩舎からもエリモハリアーが出走しましたが、今年からセン馬にも解放された記念すべき天皇賞で最初の参戦となりました。着順については参戦前から懸念していたスピード競馬で13着でしたが、内容については大変満足していて作戦通りの位置取りからレースを進めることができました。府中の坂を駆け上がった時は力尽きた感じもありましたが、そこから再度盛り返しゴール板を人気以上の着順で駆け抜けてくれました。
レース後も無事に帰厩し疲れもなく火曜日に北海道の厚真トレセンへリフレッシュ放牧に出しましたが、今年も春先から本当によく頑張ってくれました。
今後の予定は例年通り来春からの始動で5年連続出走の函館記念を視野に入れたスケジュールを考えています。馬齢を感じさせない体つきにさらに活躍することを期待しているところです。

 「トウカイルナ」が再来週のエリザベス女王杯に出走を予定しています。つい最近のレースでオープン入りを果たしたばかりですが、天皇賞出走馬以外の強豪古馬牝馬とのGⅠレースになります。
現在も以前にも増して充実した動きを感じていますが、この状態をレースに結び付けることができれば善戦も期待できると密かに感じています。

 今週は東京競馬場で中央・地方・外国から名手8人が東京競馬場に集結して「第2回ジョッキーマスターズ」(11月9日 東京 芝1600m 16時40分発走)が行われます。往年の騎手が終結するわけですが、今年は外国からもマイケル・ロバーツ氏とランス・オサリバン氏も参戦します。
迎え撃つ日本勢は岡部幸雄氏を筆頭に地方から佐々木竹見氏。そしてトレセン内でも調教師として活躍を続けている南井克己・安田隆行・河内洋・松永幹夫各氏の参戦で行われます。オールドファンにとっては懐かしい顔ぶれと思いますが、ヤング層にとっても興味深いレースになると思います。
また、前回同様、誘導馬の騎乗者やスタート時のファンファーレの際にサプライズな演出も聞いています。
今週も多くのファンが東京競馬場に足を運び「第2回ジョッキーマスターズ」を大いに盛り上げて頂ければと思います。