2004/11/30


 本年度の京都開催も先週で終了しました。当厩舎も5頭の出走で京都開催を終了しましたが、残念ながら勝利を収めることはできませんでした。
そんな中、500万下一般レースをダート戦初出走で勝ったグランプリオーロラの昇級戦では、ハンデの51kに恵まれた感は否めませんが、それ以上に直線での強襲は素晴らしいものでした。着順も3着で今後のダート戦での活躍を確信しました。
その他の馬として、ファイトザパワーはまだ幼さがあり競馬に集中しない面がありますが、レースを重ねる度に良くなってくると思います。ショーストッパーは年齢的な衰えは感じていますが、ダート戦での活躍が今後の鍵となるでしょう。ニシノミサイルは鞍上のJリデル騎手が懸命な追い通しの競馬をしてくれていますが、まだ自分からペースについて行けない面を感じています。もう少し前での位置取りを自身で進められたら、終いの脚の素晴らしさを生かす結果を出してくれると思います。ニホンピロザプラウは人気になりながら惨敗後の出走でしたが、以前の精悍さが競馬で感じられません。馬装具を含め色々な工夫をしていますが、素質のある馬ですので暫くの休養を与え、次年度の戦力として頑張ってほしいものです。

 今週から阪神と中京の同時開催が行われます。両競馬場への出走馬も久々の馬を含め臨戦態勢に入っています。今年最後の開催ですので最終攻勢で勝鞍を重ね、現在の勝鞍数を大台に到達させたいと考えています。

 先週はジャパンカップとジャパンカップダート、GT競走2レースが同日同場で施行されました。東京競馬場への入場人員が前年比145%と効果を発揮しましたが、売り上げの方はJCダートが前年比110%でJCは91.7%、合計で96.7%にとどまりました。今の経済状況を考えた場合仕方がない数字かもしれませんが、同日施行を含め今後の検討材料として考えてほしいと思いました。
レースを見ての感想ですが、両レース共そうそうたるメンバーでの競馬でした。JCダートでは武豊騎手がパラドックスを巧みな手綱さばきで勝利に導き、日本のNo1ジョッキーとして、改めて諸外国のプレス陣に騎乗技術を再確認させたことと思います。
このレースでの2着馬は人気になったアドマイヤドンでしたが、これら2頭は共に松田博資調教師の管理馬で、俗に言う親子ドンブリ(ワンツーフィニュシュの意)の偉業を達成しました。
続いて行われたJCでは、ゼンノロブロイがOペリエ騎乗で見事人気に応えての勝利を収め、2着にはコスモバルクがゴール前でポリシーメーカーに一時突き放されそうになりながらも差し返し、デルタブルースの追撃をもクビ差で抑えました。
これで昨年に続き1・2・3着を日本馬が独占した結果となりました。

 今年のJCウィークで私が最も注目したのがコスモバルクの位置取りでした。オーナーサイドからの「逃げずに3・4番手の競馬をしてほしい」との指示を、ルメール騎手がどの様な手綱さばきでレースを進めるのか興味津々で見ていました。
ハミを含む馬装具の変更が効果てき面でしたが、それ以上にルメール騎手の指示通りの騎乗が際立ったレース内容だったと思います。
ヨーロッパではオーナーや調教師の指示には絶対服従で、たとえ勝っても指示通り乗れなかった場合には平気で騎手の乗り変わりが行われます。
今回の結果はルメール自身が、自国での技術を生かした内容だったと感じました。

「勝つための技術とそれを引き出す能力」に長けているのが、優秀なジョッキーとして評価されると私自身思っています。五十嵐冬樹騎手も次走から再度コンビを組むと発表されていましたので、暮の中山競馬場で行われる有馬記念では、プレッシャーはあると思いますが、手綱から伝える馬への当たりに、騎手としての技術と能力を見せてくれることを願っています。

2004/11/22


 JRAの競馬番組も終盤に入りGT路線も佳境に入りました。今週は東京競馬場でジャパンカップダート(GT)とジャパンカップ(GT)が同日に施行されますが、GT競走の同日開催は初めての試みで、どのような結果になるか非常に楽しみなジャパンカップウィークになりそうです。
 そんな中、第21回マイルチャンピオンSが秋晴れの京都競馬場で行われました。昨年の覇者「デュランダル」に注目が集まりましたが、ファンの人気に応え群を抜いた直線での破壊力を見せて見事に連覇を成し遂げました。しかし、昨年の制覇から色々なアクシデントがあり、一時は出走も危ぶまれた時期もありましたが、よく立て直し見事な連覇を見せてくれました。関係者は勿論のこと、ここまで立て直した坂口正大調教師に改めてお祝いの言葉を差し上げたいと思います。おめでとうございました。
 GT競走自体は盛況にうちに施行されていますが、残念ながら売り上げ・入場人員とも前年比マイナス計上で競馬を消化しています。先日行われたマイルCSも、朝から秋晴れの好天に恵まれ開門前から大勢のファンが列を作ったそうですが、入場人員が前年比99.8%、売り上げも98.3%にとどまりました。今後も厳しい状況が続きますが、少しでもプラス計上の数字が残せるよう我々厩舎サイドとしても魅力ある競馬の提供に寄与していきたいと思います。この件につきましてはJRAも色々な施策を考えているようですが、台風の影響で東京開催が中止になり、月曜日に開催延期をしたときに前年比140%の数字を記録したと記憶しています。細かい数字については手元に資料がありませんが、土日開催を中心に組まれている開催も、今後の検討材料にする時期に来ているのかなと個人的には考えています。

 年間を通し色々な祝日や祭日がありますが、11月22日は「いい夫婦」の日と言われているようです。その「いい夫婦」の月曜日に安藤厩舎の川島信二騎手と田島良保調教師の三女かおりさんの結婚式が京都で行われました。私も招待を受け披露宴に行ってきましたが、和やかで素敵な時間を過ごすことができました。
 左の写真が披露宴が終わってからのお見送り時のスナップですが、二人の幸せそうな感じがこの写真の中からお伝えできると思います。披露宴の最中も二人してニコニコしっぱなしで、キャンドルサービスの時も、新郎の信二君は新婦かおりさんを見事なエスコートで各テーブルを回り、そっと背中に添えた左手薬指に輝く結婚指輪が輝いていたのが印象的でした。エリザベス女王杯では僅差の2着でGTジョッキーの仲間入りはできませんでしたが、信二君の今後の活躍とお二人の前途が指輪の光に負けないよう輝くことを祈っています。
ご結婚 おめでとうございました。