今回の旅は、ギリシャアテネのアクアポリスの丘の上にあるパルテノン神殿をはじめとする世界遺産の数々を訪れるとともに、輝く太陽と紺碧の海を誇る、エーゲ海のクルーズを楽しむことが目的であった。
 

ギリシャでは現在16の世界遺産が登録されている。その内訳は文化遺産14、複合遺産が2となっている。

文化遺産とは

複合遺産とは 文化遺産と自然遺産の両方の要件を満たしているもの。

メテオラ
メテオラ       複合遺産 1988登録
バスでメテオラの麓の街カランバカに近づくと聳え立つ奇岩にまず驚かされる。もっと街に近づくとその奇岩の頂上に建物(修道院)がたっているではないかどうしてあんなところに……驚きである、。
メテオラ 奇岩の上に建つ修道院
ヴァローム修道院 ヴアローム修道院(14世紀にやって来た聖人の名)
女性がこの修道院に入るには修道士を刺激しないよう腰巻をしなければならない。
最後の審判と聖ヨハネの生涯、マリヤ様の眠りなど見ごたえのあるフレスコ画とイコンが多い。
修道士 修道士と土地の長老。
修道士は黒い服を着用し、立派な髭を蓄えている。
修道院 TRINITY修道院まさに雲上の楼閣
自然遺産とは 
世界遺産登録基準
1 人間の創造的才能を表す傑作であること。2 ある期間、あるいは世界のある文化圏において、建築物、技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に大きな影響を与えた人間的価値の交流を示していること。3 現存するあるいは既に消滅してしまった文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。4 人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式、あるいは建築的、技術的な集合体、あるいは景観に対するすぐれた見本であること。5 ある文化(または複数の文化)を特徴づけるような人類の伝統的集落や土地利用の一例であること。特に抗しきれない歴史の流れによってその存在が危うくなっている場合。6 顕著で普遍的価値をもつ出来事、生きた伝統、思想、信仰,芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連があること。
1 生命進化の記録、地形形成において進行しつつある重要な地質的過程、あるいは重要な地形学的、あるいは自然地理学的特徴を含む、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な例であること。2 陸上、淡水域、沿岸、海洋生態系、動.植物群集の進化や発展において、進行しつつある重要な生態学的、生物的過程を代表する顕著な例であること。3 ひときわすぐれた自然美および美的要素をもった自然現象、あるいは地域を含むこと。4 学術上あるいは保全上の観点から見て、顕著で普遍的価値をもつ、絶滅の恐れのある種を含む、野性状態における生物の多様性の保全にとって、最も重要な自然の生息、生育地を含むこと。
プロビレア プロビレア(神域の入り口の門)
バルテノン神殿
野外劇場 野外劇場                                         
バルテノン神殿 アテネ市街から見たパルテノン神殿
アクロポリス
文化遺産 1987年登録
バルテノン神殿
この丘には古代ギリシャの美術をを代表する4つの傑作、パルテノン神殿、プロビレア(神域の入り口の門)、エレクテイオン神殿、アテネ. ニケがある。
中でも2,000年の歴史を刻んだバルテノン神殿、白色とも、桃色ともつかない光の加減で変化する大理石の柱46本が青空を背景に荘厳な雰囲気を漂わせている。
エレクテイオン神殿
乙女の姿の柱をもつエレクテイオン神殿
デルフィの遺跡
文化遺産 1987登録
アポロンの神殿
古代劇場 紀元前4世紀につくられた古代劇場 この劇場では4年に一度(昔は8年に一度音楽と文芸の神アポロンにちなんで詩や音楽を中心としたピュティア祭が開かれていた。観客約5,000人を収容できる。                        
スタディオン(競技場) スタディオン(競技場)紀元前5世紀に建てられ、ピュティア祭で使用された。長さ178mのトラックを有している。手前の横に長い石がスタートライン。
アポロン神殿 アポロン神殿ドリス式円柱
今残るアポロンの神殿は紀元前850年に建造されたドーリス式の神殿。ここでアポロンの神託が行われていた。
アポロン神殿 アポロンの神殿
アポロンの神託が告げられたデルフイ聖地は、世界の中心アンファロス(大地のヘソ)であった。
パルナッソス山脈、コリンテイアコス湾を望むこの地で行われた予言は世界を揺るがした。かって神託を受けた巫女達はどんな女性だったのだろうか?と思うと想像の世界で6世紀頃より栄えたこの聖地が再現されたような気がした。
オシオス.ルカス
文化遺産 1990登録
アポロンの神殿
オンファロス 大地のへそ
オンファロス 大地のへそ 世界の中心を表したもの?
オシオスルカス
オシオスルカス修道院

聖人ルカスが建てた修道院素晴らしい景観美の中にひっそりと建っていた
修道院内部
修道院内部
修道院の内部
ドームの天井
オリンピアの遺跡
文化遺産 1989登録
採火台 採火台 2004年太陽反射鏡でアテネオリンピックの聖火採火式が古代の儀式にのっとり、ここで採火される。
競技場 競技場 横に長い石はスタート台
古代オリンピック遺跡 古代オリンピックの遺跡
紀元前8世紀頃多くのポリス(都市国家)が誕生した。そんな彼らの民族意識の発揚の場がゼウス大祭の時の競技会だった。
全裸で行われ外国人,
女子の参加は認められなかった。また、金メダル無く,全てオリーブの冠だけだった。
ヴァセのアポロン、エピクリオス神殿
文化遺産 1986登録
2004年オリンピックメインスタジアム
2004年アテネオリンピックメインスタジアム。上の古代オリンピック競技場と比べてください。来年のオリンピックに間に合うのか心配。
エピクリオス神殿
パルテノン神殿を造った建築家イクテイオが紀元前420年頃に古い神殿の上に建てたもの。コリント式、ドーリア、イオニア式の柱がいっぺんに見られるのは珍しい。
この遺跡に来るのは大変遠かった。観光客で来る人は少ないのでは?
エピクリオス神殿
ミケーネとティリンスの古代遺跡
文化遺産 1999年登録
ミケーネの古代遺跡
獅子の門 顔のない獅子門
竪穴式墳墓
アトレウスの宝庫 アトレウスの宝庫(実は蜂の巣型墳墓)入り口の石は120トン中は円すい形に石が積み上げられている。石の重さを分散させる
高度な技法に感心させられる。
紀元前15世紀〜12世紀に東地中海を支配し、古代ギリシャ文明の発展に大きな影響を与えたミケーネ文明の2大都市の遺跡。この写真はミケーネ。ミケーネはトロイ戦争に登場するアガメムノンの居城。
執念の人ドイツ人シュリーマンが発掘した。
アガメムノンの黄金のマスク アガメムノンの黄金のマスク
エピダウロスの遺跡
文化遺産 1988年登録
エビダウロスの遺跡 医学の神、英雄アスクレピオス神域治療の場として造られた運動場や劇場、。BC4世紀にアルゴスの建築家ポリユクレイトスが造った。丘の斜面を利用して造られている。収容人員15,000人音響効果抜群で現在でも7~8月にはギリシャの古典劇などが演じられる。
筆者 筆者
劇場全景 劇場全景
ロードスの中世都市
文化遺産 1988年登録
旧市街 ドテ、カニサ諸島最大の島ロードス島にこの世界3大城壁に囲まれた中世都市がある。十字軍の聖ヨハネ騎士団が1309年〜1523年にかけて統治し要塞化した街である。旧市街は中世当時の趣を色濃く残しており町全体が世界遺産に登録されている。
旧市街
博物館前
旧市街
旧市街
博物館前
パトモス島の神学者聖ヨハネ修道院と黙示録の洞窟の歴史地区
文化遺産 1999年登録
聖ヨハネ修道院 パトモス島の高台にある中世の街ホラにある、要塞のような聖ヨハネ修道院
修道院中庭 聖ヨハネ修道院の中庭
修道僧 修道僧
黙示録の洞窟は写真撮影が固く禁じられていた
エーゲ海クルーズ
map エーゲ海は、ギリシャとトルコに囲まれた入江状の海域で、南は地中海に北東
ではマルマラ海を経由して黒海と繋がっている。海域には2,500にもおよぶ島々が浮かんでおり多島海である。今回のクルーズはオリピアカウンテス号18,000トンに乗船し、ミコノス島、トルコのクシャダシ、バトモス島、ロードス島、クレタ島、サントリーニ島のエーゲ海に浮かぶ美しい島々を巡る4泊5日の旅を満喫した。エーゲ海は、美しかった「紺碧の海」とよく言われるが、まさにここの海は強い太陽に照らされ紺碧に輝いていた。
ミコノス島
エーゲ海に浮かぶ白い宝石と言われるミコノス島は、エーゲ海に浮かぶ島々の中でも最も都会的でお洒落な雰囲気に満ちている。
海の青さ、太陽の輝きを強調する家々の壁の白さは、ブルー&ホワイトのエーゲ海のイメージをそのまま表している。
ミコノス島 全て白に統一されたミコノスの家々
ミコノス島 ミコノス島
サンセット
夕日に染まった家々 夕日に真っ赤に染まった白壁の家 なんともいえない美しさ
風車
路地
ペリカン
丘の上に建つ可愛い風車、かっては小麦を挽くために使われ
ていたが、今ではすっかり島のシンボルとなっている。
ペンギンの「ペドロ」1代目は交通事故で亡くなり現在は2代目
3代目、人に良く馴れていていて餌をねだる。
ミコノス島のサンセット
路地、このような路地が迷路のようにはりめぐらされている。
トルコの港町 クシャダシ
バザール
エーゲ海
エフェノス
遺跡 遺跡の一部
公衆便所
この港町では、エフェソスの遺跡を見学した。エフェソスという名前の由来や起源についてははっきりわかっていない。
紀元前7世紀にキンメル族に攻撃されたが、その後再建し、紀元前6世紀には輝かしい時代を迎えた。その後いろんな
国に支配されたが紀元前287年にリシマコス帝の支配下におかれた。現在残っているものの殆んどは彼の時代に造ら
れたもの。
クレステ通り
ドミティアン通りと、セルスス図書館をつなぐストリート当時道の両側は、有名人の石像で飾られていた。現在でもその幾つかを見ることが出来る。
大劇場
この劇場は、リシマコス時代に(紀元前3世紀)建設されたがその後拡張された。この劇場は24,000人が収容できるトルコ最大の劇場。3〜4世紀には、猛獣と戦士の戦いが行われたという。
公衆便所 当時囲いはあったのだろうか?
クシャダンのバザール ここでもエジプトと同じくバザールでコザール
との掛け声で迎えられた。
トルコ側から見たエーゲ海
パトモス島
パトモス島は、エーゲ海でもっともトルコに近い小さな島である。先に世界遺産で取り上げた聖ヨハネ修道院、聖ヨハネが
洞窟にこもってヨハネの黙示録を書き上げたところ。
パトモス島
パトモス島
スカラ港
街
街と修道院
街と修道院
スカラ港
ロードス島
エーゲ海南東部の12の島々の中心。ギリシャというより地中海を代表するリゾートアイランド。高級ホテルが立ち並びカジノ
ゴルフ場等リゾート施設が充実している。また、旧市街は、街全体が世界遺産に登録されている。(世界遺産の部で紹介)
リンドス
ロバ
リンドス遺跡
リンドスの街
市内
露天
中央広場
市内
騎士団
城壁
リンドスの遺跡から見た地中海
リンドスの遺跡に行くにはかなりの坂を登るので大変。
このロバに乗っていくと楽チン。料金は5ユーロ(日本円約650円)
リンドスの遺跡 ロードス島にあった3つの古代ポリスの1つで、このアクアポリスはエーゲ海に臨む岩山の上にある。中世には城として使われていた。
リンドスの街
リンドスの市内
ロドス市の中央広場
リンドス市内
リンドスの露天
ロドス市(旧市街)囲む城壁を
騎士団の宮殿
クレタ島
クレタ市内
クレタ島市内
博物館
牛頭のリユトン
収蔵品
骸骨
クレタ島市街
イラクリオン考古学博物館。ミノア文明の発展過程を時代順に展示してある。
牛頭のリユトン
出土した骸骨
サントリーニ島
別名ティラ アトランティスの伝説の島サントリーニは、その美しさの点に加え、小さな島にもかかわらずいろんなものが存在する魅力的な島である。火山活動が造りだした切り立った断崖の頂上に、積もった雪のように輝く白壁の家々、なんともいえない美しさである。
サントリーニ島
オリンピアカウンテス号
教会
市街
市街
市街
市街
路地
サンセット
ロバ
断崖の上に雪が積もったように見えるサントリーニの街
この島は断崖のため船が着岸できない。船は沖に停泊し
はしけで上陸する。
教会
サントリーニ市街
断崖の頂上に立っていることが良くわかる
市街
市街
島の上から見たサンセット
店が立ち並ぶ路地 貴金属店が多い。
港から街に来るにはケーブルカーか、このラバに乗るかどちらかを選ぶ。
アテネ ビレウス港
クルーズ船
エーゲ海
エーゲ海
デッキ
アテネピレウス港で出航をを待つクルーズ船団
エーゲ海を行くクルーズ船
これがエーゲ海
このデッキに寝転び紺碧の海と抜けるような青い空を眺めていると
エーゲ海に来た実感がわいた。
世界で、現在登録されている遺産は、文化遺産582件 自然遺産 149件 複合遺産23件計754件(2003.7月現在)世界遺産を持つ国129ケ国 
数少ない複合遺産
古代ミケーネは巨石を積上げた城壁に囲まれていた。その入り口「獅子の門」を入ると右手にある。6つの竪穴式墳墓があり、19の遺体とともに黄金のマスクや多くの装飾品が出土した。
ここより南に位置するティリンスの遺跡には、残念ながらいけなかった。
琵琶湖のヨシへ
home
人を寄せ付けない奇岩の上に11世紀頃修道士達が雲上の楼閣を築き上げた。最盛期の15世紀には24の修道院が建てられていた現在は6つの修道院が残っている
そこに描かれている16世紀のフレスコは、後期ビザンチン絵画に大きな影響を与えている。
ギリシャ10の世界遺産とエーゲ海クルーズ
世界遺産
ギリシャ神話
ギリシャは神話と太陽の国である。最後に神話に登場する主要神を簡単に紹介しておきたい。
ゼウス(Zeus)   ゼウスは天空の王者の名の通り空に起こるさまざまの現象、つまり気象を司る神で彼の持つ雷と稲妻の力は           
絶大で、外の勢力を圧倒する。時に最高の権力を象徴する鷲を肩の乗せて現れる姿は、真の王者である。
ヘラ(Hera)
嫉妬深くも忠実な最高神ゼウスの妻。ヘラは貴婦人を意味する。
ポセイドン(Poseidon)
地中海を駆け巡る海の王者。ゼウスやヘラの兄弟、ティタン族征服後海を支配。
ハデス(Hades)
「ハデスの館」に住む冥界の王。ハデスはティタン族との戦いの後冥界を司ることを命じられ、運命と正義の力をコントロールしている。
デメテール(Demeter)
大地の生産力を守護する地母神 農耕の神様
ヘスティア(Hestia)
ゼウスの姉で、炉の番を務め続けたを悲しき女神
アルテミス(Artemis)
狩猟の神にして月の神 純潔をかたくなに守る永遠の処女。
アテーネ(Athena)
知恵と技術と戦いの女神
アフロディーテ(Aphrodite)
ギリシャ全土で崇められる美と愛と結婚の女神
アポロン(Apollo)
ギリシャ文化を象徴する太陽神
ヘルメス(Hermes)
ゼウスの伝令にして盗人の神ヘルメスは、旅の安全を願う旅人たちやその健脚にあこがれるスポーツマンに崇拝された。
デイオニッソス(Dionysus)
酒と陶酔を司る異端の神。葡萄の栽培法を確立しワインをつくり広くひろめた。
アレス(Ares)
無敵の軍神
ギリシャは、まさに神話と太陽の国であった。見学した世界遺産はいずれも歴史の重みとその時代に栄えた文化を偲ぶことが出来た。そこにはいつも、さきに紹介した神話の神々が登場した。遺跡は立派だあったが、エジプト等と比べるとスケールで劣っているように感じた。ガイドに聞いてみると、エジプトの場合は王が強大な力を持ち民から搾取した財力で強大な建築物を建てた。これに対し、ギリシャでは民主主義、王の財力が十分でなかったためエジプトに比べスケールが小さい。しかし文化的な価値はこちらの方が高いといっていた。
エーゲ海は、紺碧の海や点在する島々を眺めながらゆっくりクルーズを楽しんだ。紺碧の海、強い太陽に映える真っ白な家々、魅力的な風車など今でも目に焼きついて離れない。
ここは、007 ユア、アイズ、オンリーの撮影に使われた場所としても有名
2004年アテネ オリンピックの砲丸投げ競技はここで行われる。

イタリアへ