女装はやっぱりブルマーで
大助&友也シリーズ7

2010/03/01UP

(解説)
9年振りの続編。
HP復活記念に書いてみました。


「女装してくれない?」

 大助は唐突に言った。

「うっ・・・いっイっちゃった・・・」

 友也は顔を真っ赤にしながら言葉を続ける。

「変なこと言うからだぞ。今のナシな」

 友也の家の小さな浴室。

 湯船に2人一緒どころか洗い場に2人で立つことすら窮屈だ。

 その状態で向かい合いおちんちんを擦り付けあっていた。

 先にイっちゃった方の負け。

 それがこのゲームのルール。

「えっ、でもやっと俺の勝ち・・・」

 大助は連戦連敗中だ。

「無効試合!」

 友也も譲らない。

「じゃあ、友也が女装してくれるんなら友也の勝ちでいい」

「分かった。じゃあ勝者の命令権で大助も女装決定な」

「そ、それは・・・」

「俺の勝ちだって言ったの大助だし、勝った方が何でも命令できるって言い出したのも大助」

「わ、分かったよ」

「じゃあ、明日は俺の部屋で女装ごっこするから準備して来ること」

「女の服なんか持ってないよ」

「借りろよ、クラスの女とかお母さんとかに」

「ちょっと、それは・・・」

「決まり。さっさと上がらないとお母さんが帰ってきちゃう」

 そう言うと友也はシャワーを大助の下半身に向けた。

「ちょっ、冷たっ・・・馬鹿、出ちゃったじゃねえか」

「お返し」

 大助のを洗ってやると自分のも洗って浴室を出た。



 女装当日。

 友也は友也なりに考えた。

 下にはブーメラン型の競泳パンツを穿いて上には体操服を着る。

 遠目に見ればブルマ姿の女子みたいに見える筈。

 その姿で待っていると玄関の方から声が聞こえた。

「おばちゃん、こんちわ〜っ!」

「うわっ、大助くんなあにその格好」

「似合う?友也と女装ごっこすることになってて」

 うわっ、馬鹿だろあいつ。

 なんで家から堂々と女装して来るんだよ。

 ずだだだだだだ

 大慌てで階段を駆け下りて玄関に向かう。

 そこには母親と談笑するセーラー服の姿があった。

「やっほ〜っ、近所のお姉ちゃんから借りてきた」

 そして自らスカートを捲り上げる。

「ほら、下はブルマ。完璧な女装だろ?」

「み、見せるんじゃないっ!」

「なんだよ、似合ってるだろ?母ちゃんや貸してくれたお姉ちゃんはそう言ってくれたぞ」

「似合ってない、似合ってない」

 何処の学校のものかも分からないセーラー服に短いスカート、そしてブルマ。
 似合ってない。
 というより誰がどう見ても男の子の女装にしか見えない。
 よくこんな格好で外を歩いて来たもんだと友也は呆れた。

「それより、友也は全然女装じゃないじゃない」

 お母さんが詰まらなそうに言った。

「だよな、単なるプール授業の後って感じ」

「ブルマの女子中学生に見えない?」

「見えない。大体うちの中学ってスパッツだし」

「友也ってば、せっかくわたしに似て女顔なんだから期待してたのに・・・
わたしのスカート穿く?」

「穿かない、穿かない」

「おばちゃん、昔の制服とか持ってないの?」

「流石にちょっと・・・あ、そうだ!レオタードがあったっけ」

「げ?!」

「探してくるから、大助くんは息子が逃げないように抑えといて」

「分かった」

「息子を女装マニアにする気かあぁぁぁぁっ!!」

 叫びも虚しく友也はレオタード姿にされた。

「うわっ、〇ャッ〇・ア〇みたい」

「股間のもっこりを除けば完璧に女の子っぽい。流石はわたしの息子」

 友也は前を手で隠しながら真っ赤な顔で抗議する。

「もういいだろ、お母さんもカメラなんかしまってよ」

 大助が信じられないことを口にした。

「え?一緒に俺ん家まで行ってよ。母ちゃんとか近所の姉ちゃん達が友也の女装姿を楽しみに待ってるんだから」

 話し合いの結果、友也が大助の着ていたセーラー服&ブルマを大助が友也の着ていた競パン&体操服でということになった。

「スカートってスースーする・・・って大助?お母さん?」

 大助はレオタードを着て写真を撮られていた。

「もう、馬鹿やってないで行くぞ」

「既に女装って時点で馬鹿なんだけどな」

 ブルマには大助の体温が残っていた。

 こ、これ大助が穿いてたんだよな

 正直、少し勃ってきた。

 なんだよ、これぐらいで。

 わざと風呂上りにパンツを間違えたことだってあるのに。

 それよりも女装して近所を歩くのは恥ずかしい。

 大助はよく平気な顔して歩いてこれたなあ。

 徒歩で約15分。

 嬉しそうにはしゃぐ大助とは対照的に友也は恥ずかしさで顔を真っ赤にしていた。

 そしてその姿は女の子にしか見えなかった。



「うわ、なんでこんなに大勢?」

 到着地点周辺には近所の人達が集結していた。

 クラスメートの姿も見える。

「ごめん、母ちゃんが呼んじゃったみたい」

 1人のお姉さんが歩み出てくる。

 ばっ。

「きゃん」

 スカートを捲くられた。

「ちゃんと穿いてるんだわたしのブルマ」

「え、まあそれは・・・」

「その格好、私より似合ってるよ。ちょっと妬けちゃうかな?」

「い、いえそんなこと」

 恥ずかしさで何も考えられない。

「大助くんは水着で帰って来たんだね」

「友也としてはブルマの真似だったらしいんだけど」

「でも男物だよねそれ?」

「うん、学校で使ってるやつ」

 お姉さんは友也の顔を見詰める。

 じっ

「な、なんですか?」

「スクール水着も持ってるんだけど着てみない?大助くんとペアルックで写真撮ろ?」

 周囲からの拍手に友也は断ることができなかった。

 ちょん、ちょん。

「ねえ、もう着ないんでしょ?貰っちゃダメかな?」

 友也はとても小さな声でお姉さんに訊ねた。

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