赤いズボンの男の子6.9

2001/2/17UP

注)先に『赤いズボンの男の子』シリーズをお読みください。
  でないと話が通じません。

(解説)
 どうしても、あきらくん視点にできませんでした。
 またしても突発的なキャラを作ってしまいました。


 
 とある小学校の保健室。
 
 いつもの様に平和な時間がウトウトと流れている。
 
 誰も眠っていないベッド、半分眠ったような顔をしている保険の先生。
 
 仮病を使う『常連さん』もこの学校にはいない。
 
 何故なら優しいお姉さんにしか見えない保険の先生が、手荒く叩き出してしまう
からだ。
 
 大抵の子供は、泣きべそをかいて逃げ出してしまう。
 
 そんなワケで、保健室を訪れる子供は少ない。

 

 ガヤガヤと騒がしい物音が近づいてくる。
 
 かなりのギャラリーを引き連れて誰かが運ばれ来るようだ。
 
 大怪我でもしたのか?
 
保険の先生は、身構えて頭の中で救急車の呼び方や病院への連絡方法、
各種の応急処の仕方などを復唱する。



「何なの。これは?」

 先生は、そう言うしかなかった。 

 運ばれてきた男の子のワケの分からない格好をして気を失っている。

「だからさ…あきらの奴が…」
「女の子が嫌がって…」
「ふんどしが…」

 何人もの子供が口々に事情を説明しようとするので却って事態は混乱した。

「ストップ!えーと、君が代表して説明して」

 目の前の一番しっかりとしていそうな子を選んで説明させることにする。

「だから、あきらの奴が、ふんどしを女子に見せようとしたら逃げた子がいて、
そのまま追いかけ様としたら解けちゃって、足に絡まって転んで、場所が階段だった
もんでそのまま下まで落ちて……」

「で、この状態で気を失ったわけね」

 先生は、漫画のようなことをやってのけた、あきら君を見詰めた。

「頭は打った?」

 脳震盪が一番心配だ。

「打ってないと思います。ネコみたいに足から着地して、立ちあがったと思ったら
ヘタっちゃって」

「ショックで気が遠くなったのね」

 一応、頭を中心に全身を調べてみるが特に異常は無いようだ。

 何処も打ってないと大勢が証言してるし、大丈夫だろう。



「さてと……」

 帰ろうとしないギャラリー達を怒鳴りつけて帰らせると、
あきら君をベッドに横にする。


 そいえば、この子って去年は何回か、お漏らししてパンツを
借りに来たわね。

 最近は、ご無沙汰だったけど、ふんどしを穿いて来たり、ピンクのトランクスを
穿いて来たりするって誰かが言ってたっけ。

 先生は気が付かなかったが、あきら君のふんどしは簡単に穿ける越中褌から
難しい六尺褌へとグレードアップしていた。

「えーと、どうしたものかしら?」

 ふんどしを穿かせてやろうとは思うのだが締め方が分からない。

「仕方ない、取り敢えず予備のパンツを穿かせとくか」

 そう言って、ロッカーから、予備のブリーフを取り出そうとした先生の指が
ハタと止まる。
 
一瞬のニカッとした表情。

 ルンルンとしながら、あきら君に穿かせたのは、去年までテレビで放送していた
魔法少女がプリントされた淡いブルーの女児用パンツ。

 元は誰かがプールの更衣室に忘れたものだったのだが、持ち主が現れないので
保健室の所有となったものだ。

「女の子を追い回してたんだから、これぐらいのおしおきは必要よね」

 成人男子であれば、もっこりとしてしまう部分も8歳という年齢ではまだそんなに
大きくはなっていない。

「なんて言うか…異様に似合うわね、この子。ピンクのパジャマとか着せても
似合うかもね」

 先生は知らない。

 ヒロシ兄ちゃんがしっかりとピンクのクマさんパジャマを着せていることを。



 数分後。

 体を、ぶるっと小さく震わせると、あきら君は目を覚ました。

 でも、まだ寝ぼけている。

「うーん、オシッコ……」

 寝ぼけ眼で、股間に手をやろうとしている。

"さては、この子、おねしょの気もあるのね"

 それぐらいのことは経験上分かる。

 保健室で、やらかしてしまった子も何人か知っている。

 だが、そのままにして置くことはできない。

「はいはい、こっちでやってね」

 背中に手を添えて、本来は口から戻すものを処理する為に設置されている
洋風便器に似たものの方へと誘導する。

「ん……」

 寝ぼけながらも、あきら君の手は男児用のパンツであれば在る筈の穴を
探そうとしていた。

 が見付からない。

 可哀想に、結局オシッコの大部分はパンツに吸収され、
残りは、ポタポタと床に零れ落ちた。


「わっちゃ〜!余計なことしなきゃよかった」

 目の前で、ジットリと濡れた女の子用のパンティを穿いた男の子が、
どうしたら良いのか分からず、取り敢えずベソを掻いている。

「はいはい、泣かないでいいから、新しいパンツを穿きましょうね」

「先生が悪いんだからね!」

 口を尖らせて抗議されると腹が立ってきた。

「元はと言えば、君が女の子を追い回したのが悪いんでしょ!!」

 教師とて感情の生き物である。

 それに、ここで引き下がっては"教育的指導"ができないではないか。

「悪いこと、ふたつもしちゃったね」

「ふたつ?」

「嫌がる女の子を追いまわしたこと、それにおねしょ」

 お尻をペンペンするには充分過ぎる条件だ。

「さてと、覚悟はいいかな?」

 遠くからクラスメートの歩いてくる足音が聞こえてくる。
 
 さてここで問題です。
 クラスメートに見られて一番恥ずかしいのは?
1. 女の子用のパンツを穿いていること。
2. おねしょをしたこと。
3. お尻をペンペンされながら泣いていること。
 

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