お尻叩き人形

2000/06/16UP

 最近の玩具は進んでいる。

 子供の人形だってハイテクの塊だ。

 安物の AI で目をクルクルさせて言葉を話したのはもう昔のこと。

 お友達人形は記憶されたパターンを使って悩み事相談をしてくれるし、
妹人形は特定の人間にだけ甘えてくれる。
 
 そんなハイテク人形は大人の玩具にも応用 された。

 等身大の女王様人形は、値段と顔の出来さえ我慢すれば
その辺の大人の玩具屋でも買うことができる。

 俺は、そんな変態的な玩具には興味が無い。

 だが、ワクワクしながらハイテク人形が届くのを待っていた。

 ネット通販で見付けたそれは素晴らしい製品に思えた。

 値段も手頃。

 怒りに任せて、子供を折檻するのは最低の人間のする行為だと誰もが分かっている。

 未だにそんな馬鹿をやるのは人間の屑としてそれなりの制裁を受ける。

 その人形も販売目的には『子供を叱り過ぎない為の練習用』となっている。

 だが、それは明らかに俺のような性癖の持ち主の為の商品なのだ。

 年齢の設定は3歳から15歳まで様々だ。

 勿論、性別も選択できる。

 俺の頼んだ商品は10歳の男の子だ。

 ピンポン。
 
 宅配業者が大きな荷物を代金引換で届ける。

 扉が閉ると同時に大慌てで梱包を解く。

 箱の中に横たわっているのは、オーソドックスに可愛い顔をした10歳の男の子の人形。

 Tシャツにハーフパンツ姿。

 ハーフパンツをめくってみると白いブリーフを履いている。

 それもめくって確認すると、ちゃんんと男の子の証も付いている。

 性格の設定は…「素直」でいいか。

 俺との関係は…「お父さん」で行こう。

 折檻の理由?

 そうだな…「オネショ」ってのにしようか」

パチッ。

 スイッチを入れると、大きな瞳が開かれ首を振ってセンサーで俺を探して認識する。

 そして、ムクっと起き上がるとトコトコと歩いて

「パパ、ごめんなさい」

 と土下座をする。

「どうしたんだ?」

 何故、謝っているのかは分かっている。

 そう設定したんだから。

「あの…その…ボク…またやっちゃったの」

 ポッ顔を紅く染め、モジモジとそうしゃべる。

 実によくできている。

「何を?」

 俺は意地悪そうに問い質す。

「…オネショしちゃった」

「お前幾つだっけ?」

「…10歳」

「分かってるな?」

 そう言うと、自分でハーフパンツとブリーフを下ろし、俺の膝にちょこんと乗る。

 忠実に再現されたお尻。

 まだ少し蒙古斑が残っていて青い。

 そして、適度な体温と肌触り。

 パシン、パシン、パッシーン!

 必要以上に大袈裟な音がする。

 一発叩く度に「ごめんなさ〜い」とか「ゆるして〜」と声を上げる。

 そして、少しずつ紅みを増して行くのだ。

 叩き終えると、グスグスと涙を流しながらパンツとズボンを引き上げる。

「誰が終わりだって言った?」

「え〜、まだやるの?」

 せっかくの付けた別売りオプションを試してないからな。

 本来なら、お尻を丸出しの状態で使うんだが待ちきれない。

 俺はリモコンのスイッチを入れる。

「わーっ!」
 大袈裟な声を上げて男の子は飛び上がる。

 そして慌ててブリーフを脱ぎ捨てて床に横たわる。

 お尻からは薄紫の煙が上がっている。

 お灸を据えたということになっているのだ。

「あ、熱いよ〜、パパ〜ごめんなさ〜い!」

 ふふふ、これってさ実際の子供には絶対にできないこともできるんだよね。

 ポチッ。

「わーっ!」
 
 男の子は慌てて前を押さえようとする。

「ダメ!」

 俺は制止する。

「ふえ〜ん、ぼく女の子になっちゃうよお」

 男の証から薄紫の煙が上がる。

わーっ!

 次に大声を上げたのは俺の方だった。

 股間から水がほとばしり出たのだ。

 思わず漏らしてしまったという設定らしい。

 まあ、ただの水だから拭けば終わりだが…実に芸が細かい。

「パパ、ごめんなさい」

「もう一度、お尻ぺんぺんだな」

 男の子は毎日俺に謝ったり、顔を見て逃げようとしたり、コソコソしたりした。

 素直にお尻を叩かせることもあれば、抵抗することもあった。

 俺を父親だと呼ぶこともあれば、兄と呼ぶことも、おじさんと呼ぶこともあったし、
母や姉と呼ぶこともあった。

 ズボンを履かせたままオモラシもさせたし、布団に寝かせてオネショもさせた。

 設定次第でどうにでもなるのだ。



 でもある日、親にバレた。

 そして、俺が男の子にしたのと同じことをされた。

 ぱっしーん、ぱっしーん、ぱしーん……

「わーん、ごめんなさ〜い。でも、この人形ってクラスで流行ってるんだよ〜」

「やかましい!四年生にもなってオネショが直らない
 赤ちゃんの癖にヘンなことばかり覚えやがって」

「パパ〜、ごめんなさ〜い!」

「だ〜め、今度からお前もオネショする度にお尻を叩いてやるからな」

 泣きながら男の子を見ると、ざまあみろと笑っているような気がした。

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