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<TITLE>ゲームの中の１７歳</TITLE>
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<CENTER>
<TABLE>
  
    <tr>
      <td>
      <P><FONT size="+1"><B><FONT size="+2">『<FONT size="+2">ゲームの中の17歳</FONT></FONT><FONT size="+2">』</FONT></B></FONT>
      </P>
      ☆一応、２と３もあります。
      <HR>
      <FONT size="+1"><BR>
      　　どうやら、自分以外の人間に人格や人生があることを知らないらしい。<BR>
      　　<BR>
      　例の後輩と母親をバットで殴り殺して自転車で逃亡した１７歳の少年の話である。<BR>
      <BR>
      　　コレを書いている段階での私は、テレビのニュースや新聞で報道されている内容しか知らない。<BR>
      　<BR>
      　だから、ワイドショーか何かで、心理分析のなんかとかいう人が似たようなことを解説しているかも<BR>
      しれないが私はそれを見ていない。<BR>
      <BR>
      　まず、情報を整理してみよう。<BR>
      <BR>
      　彼は、野球部の後輩を金属バットで撲殺して帰宅、母親をも撲殺。<BR>
      　<BR>
      　血の付いた服を着替えると通学用の自転車に乗って逃走。<BR>
      　<BR>
      　岡山から日本海に沿って北へと向かい秋田で逮捕される。<BR>
      　<BR>
      　逮捕時には２０万円の現金を所持しており、自転車は途中で乗り換えていた。<BR>
      　<BR>
      　動機として「丸刈りを強要されたので殺すしかないと思った。<BR>
      　<BR>
      　母親に迷惑を掛けるかもしれないので殺すしかないと思った」と供述している。<BR>
      　<BR>
      　なお、関連項目として誰かがツッコムだろうと思われるのは、少年を発見したのはトラックの運転手達であり<BR>
      警察は彼らの携帯電話による連絡網が無かれば少年を発見、補足できずに、ヘタをすれば四国にいると<BR>
      思い込んでいたかもしれないという話がある。<BR>
      <BR>
      　まず、彼は犯行に及んだ時には犯罪という意識はあまりなかったのではないかと思う。<BR>
      <BR>
      　多少言い過ぎかもしれないが、ゲームで気に入らないキャラをボコボコにする程度の<BR>
      感覚でしかなかったのではないだろうか？<BR>
      <BR>
      　そう言うと格闘系のゲームを思い浮かべる人が多いと思うが、むしろロールプレイングで<BR>
      改造コードを使って、さっきは勝てなかったボスキャラを倒しているようなものなのではないかと思う。<BR>
      <BR>
      　金属バットは禁断の無敵アイテムだったのだ。<BR>
      <BR>
      　小さな子供のように、相手を行き返させることができると思っていたなどと馬鹿なことは私も思っていない。<BR>
      <BR>
      　だが現実の人間をゲームのキャラのように捉えていたことは事実だと思う。<BR>
      <BR>
      　全てが自分の思う通りになるワケではないが、自分という主人公の為に存在しているのだと。<BR>
      <BR>
      　野球部では３年生が引退試合で気を引き締めるために丸刈りにしようという話が出ていた。<BR>
      <BR>
      　彼はそれが格好悪いと思ったが、格好良いことだと周囲は考えていた。<BR>
      <BR>
      　と少なくとも彼はそう考えていた。<BR>
      <BR>
      　或いは、そんな空気に流されないで丸刈りにしない自分を格好良いと思っていたのかもしれない。<BR>
      <BR>
      　そして<BR>
      　『どうしてヘタクソの癖に丸刈りにしないんですか？』<BR>
      　そんな後輩の問い掛けは彼のプライドをズタズタに切り裂く言葉だった。<BR>
      　<BR>
      　後輩にして見れば、当然浮かんでくる疑問であろう。<BR>
      　<BR>
      　試合の役に立たないばかりか、みんなで気合をいれようとしているのに反抗して水を差す。<BR>
      　<BR>
      　尊敬してもらえる先輩像であるとは思えない。<BR>
      　<BR>
      　彼がもし有能なレギュラーであったならば話は違っていたのかもしれない。<BR>
      　<BR>
      　同じ行為も格好の良いものとして後輩の目に映ったかもしれない。<BR>
      　<BR>
      　だが、彼は格好悪いことをしている先輩としか映らなかったのだ。<BR>
      　<BR>
      　後輩の言葉は多少なりとも自分をヒーローだと信じていた彼を現実世界へと引き戻した。<BR>
      　<BR>
      　怒りをぶつけるには充分な理由だった。<BR>
      　<BR>
      　だから殴り殺した。<BR>
      　<BR>
      　後輩も自分と同じように物を考える存在であり、自分と同じようにこの先に<BR>
      人生が控えていたであろうことには気が付かずに。<BR>
      <BR>
      　大変なことをしたという感覚はあった。<BR>
      <BR>
      　だから取り敢えず逃げ帰った。<BR>
      <BR>
      　母親の顔を見て頭に浮かんだことは<BR>
      『何か言われる！』<BR>
      　であった。<BR>
      <BR>
      　怒られるにしても庇ってもらえるにしても、何か言われないワケはない。<BR>
      　　<BR>
      　全てを無言で受け入れてくれたとしてもそれは以前とは違う生活になるだろう。<BR>
      　<BR>
      　それがイヤだった。<BR>
      　<BR>
      　どうすればいいか？<BR>
      　<BR>
      　答えは目の前の母親を殺してしまえばいい。<BR>
      　<BR>
      　そうすれば母親の反応について思い悩む必要は無くなる。<BR>
      　<BR>
      　だから、殴り殺した。<BR>
      　<BR>
      『母親に心配させたくなかった』という理屈がいつ頃できたものかは分からない。<BR>
      <BR>
      　早ければこの時に形成されたのだろう。<BR>
      <BR>
      　そして服を着替えると逃亡生活を始めた。<BR>
      <BR>
      　馴染みの薄い警察と言う存在が自分をどう扱うのかが分からないことへの恐怖と<BR>
      やがて帰宅するであろう父親に『何か言われる』のがイヤだったから。<BR>
      <BR>
      　少なくとも逃亡している間だけは、人を殺したという事実から逃れることができる。<BR>
      <BR>
      　日本海を北へ向かったのは感傷的な理由で最終的は北海道を目指したのだろう。<BR>
      <BR>
      　途中、恐らくは持ち出していたクレジットカードだろうと思うが現金を調達し、<BR>
      自転車を乗りかえると言う妙に現実的な行動も取っている。<BR>
      <BR>
      　断言はできないが、彼は自らの気持ちを虚構を交えてノートか何かに綴っていたのではないかと思う。<BR>
      <BR>
      　そうすることによって、映画の主人公でもなったような気がしていたんだろう。<BR>
      <BR>
      　俺は悪くない、悪いのは殺されるようなことをしたあいつ等なんだ。<BR>
      　俺は被害者なんだ分かってくれと必死の思いで書き綴る。<BR>
      　<BR>
      　時には、俺はこんなに反省してるんだと自分と自分以外の者を納得させる為に。<BR>
      　<BR>
      　もしかすると、書いては破りしていたのかも知れない。<BR>
      　<BR>
      　だが、一度は書いた、或いは書こうとしたことはあると私は思う。<BR>
      <BR>
      （逮捕時にメモは所持していたようですね）<BR>
      <BR>
      　そして、眠りから覚める度に人を殺したという現実が夢になって<BR>
      何処かに消えてくれないかと願っていたことだろう。<BR>
      <BR>
      　もしかすると、野球がヘタで後輩に馬鹿にされる自分が夢であることを願ったのかもしれない。<BR>
      <BR>
      　現在の彼は、非現実的な旅が終わりを告げたことを喜んでいる筈だ。<BR>
      <BR>
      　そして、次のステップとして引き戻されることのない逃亡の旅を計画しているのではないかと思う。<BR>
      <BR>
      　そう自殺と言う手段を使うことによって。<BR>
      <BR>
      　しかし彼にはそれを実行するだけの勇気は無いだろう。<BR>
      　<BR>
      　きっと遺書めいた物を書いては破りしていることだろうと思う。<BR>
      <BR>
      <BR>
      <BR>
      </FONT>
      <FONT size="+1"><I><A href="e00.htm">
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      </tr>
  
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