<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0 Transitional//EN">
<HTML>
<HEAD>
<TITLE>白い街と女子高生</TITLE>
<META name="GENERATOR" content="IBM HomePage Builder 2001 V5.0.2 for Windows">
</HEAD>
<BODY><CENTER><TABLE>
  
    <tr>
      <td><P><FONT size="-1"><FONT size="+2"><B>『白い街と女子高生』</B></FONT></FONT></P>
      <HR>
      <P><FONT size="-1"><FONT size="+1">　12月になるとクリスマスになる。<BR>
      <BR>
      　正確には、12月25日がクリスマスだからイブの23日から、オマケして25日まで<BR>
      の３日間のみだと思うが、１２月に入ると同時にデパートの飾り付けからカレンダー<BR>
      に至るまでクリスマスになる。<BR>
      　<BR>
      　もっともカレンダーは１１月に入るとクリスマスになることもある。<BR>
      　<BR>
      　思うのだが、夏に海岸だの山だの高原だのは涼しそうでいいと思うのだが、<BR>
      　<BR>
      　冬に雪の降った景色というのは寒々としていていただけない。<BR>
      　<BR>
      　と目の前の彼女に言ったら呆れられた。<BR>
      　<BR>
      　既に街は最後のクリスマスセールで品物の叩き売りが始まっている。<BR>
      　<BR>
      　ティファニーに群がる男の姿も減ったし、デパートは家族客へとターゲットを変更<BR>
      している。<BR>
      　<BR>
      　僕達は、観葉植物がツリーに取って代わられた喫茶店で向かい合って座っていた。<BR>
      　<BR>
      　無言。<BR>
      　<BR>
      　気まずい雰囲気だ。<BR>
      　<BR>
      　ウケない話をしたのもマズかったか。<BR>
      　<BR>
      　聞えて来るのは有線でやってるクリスマスソング特集だけ。<BR>
      　<BR>
      　しばしの沈黙の後、彼女が口を開いた。<BR>
      <BR>
      「で、どうするのよ？」<BR>
      <BR>
      「…どうしようか？」<BR>
      <BR>
      　制服姿の女子高生に凄まれている中年男の図というのは情けない。<BR>
      <BR>
      　援助交際にすら見えない。<BR>
      <BR>
      　もっとも僕に援助交際をするだけの経済力は無いが。<BR>
      <BR>
      「わたし、社会人ってもっとしっかりしてるんだと思ってたわ」<BR>
      <BR>
      　僕だって好きでクリスマスに予約を入れるのを忘れていた訳じゃない。<BR>
      <BR>
      　学生には分からないだろうが、年末っていうのは色々と忙しいんだ。<BR>
      <BR>
      「どう忙しいっていうのよ？」<BR>
      <BR>
      　例えばそう…、忘年会の手配とか、新年会の手配とか…<BR>
      <BR>
      　彼女は怖い顔で僕をにらんだ。<BR>
      <BR>
      　この顔は苦手だ。母親に怒られているような気がしてくる。<BR>
      <BR>
      　その時、有線から山下達郎が流れてきた。<BR>
      <BR>
      　クリスマスの定番ソングだ。最近では俳句の季語になるぐらいだと言う。<BR>
      <BR>
      　僕は、もっけの幸いにと話題転換のきっかけにすることにした。<BR>
      <BR>
      「雨は夜更け過ぎに雪へと代わるだろうって歌ってるけど妙な話だよね」<BR>
      <BR>
      「なんで？」<BR>
      <BR>
      「だって、雪が上空で溶けて雨になることはあっても、その逆は有り得ないんだよ」<BR>
      <BR>
      「前にも、この歌に文句を付けた人がいたわ。来ないって分かってるだったら延々<BR>
      と未練がましく歌うなって。そんなことだからフラれるんだって」<BR>
      <BR>
      「僕の意見は少し違うな。彼は未練がましいかもしれないけど結構行動的なんだよ」<BR>
      <BR>
      　目の前の彼女はヤレヤレという表情を隠さなかった。<BR>
      　<BR>
      　僕がこういうヘ理屈を言い始めると止まらないのを良く知っているからだ。<BR>
      <BR>
      「さっき、雨は雪に代わらないって言ったけど、それは観察者が停止している場合で<BR>
      あって、例えば雨の降っている地域から雪の降っている地域へ移動していると考えれ<BR>
      ばいいんだ。つまり彼は夜行で雨の中を出発して、彼女の住む街へ行こうとしている。<BR>
      天気予報によると向こうでは雪が降っている。結論として彼は、彼女が来ないんであれ<BR>
      ば自分が行こうとしてるんだ」<BR>
      <BR>
      　ふと、見ると彼女は僕の説明など聞き流しながら窓の外を見詰めていた。<BR>
      <BR>
      　白い物がチラチラと舞い落ちている。<BR>
      <BR>
      「へえ、この季節に雪が降るのって、この辺じゃ珍しいね」<BR>
      <BR>
      「悪い雪だわ…」<BR>
      <BR>
      　彼女がポツリと言った。<BR>
      <BR>
      「え？雪に、良いとか悪いってあるの？」<BR>
      <BR>
      「雪って傘の上に積もる分だけ雨よりタチが悪いのよ。傘がドンドンと重たくなるし、もう<BR>
      ロクなことがないわ」<BR>
      <BR>
      「…僕が車で送っていくよ。じゃあ雪は全部『悪い雪』ってことになるね」<BR>
      <BR>
      「そうでもないわ。夜中にドカドカ降って朝起きたら３０センチぐらい積もってる雪なんか<BR>
      <BR>
      『良い雪』よ」<BR>
      <BR>
      　クス。小学生みたいなところもあるんだな。<BR>
      <BR>
      「だって、学校が休校になるんだもん」<BR>
      <BR>
      　すみません。現実に引き戻されました。<BR>
      　　　　　　　　　・<BR>
      　　　　　　　　　・<BR>
      　　　　　　　　　・<BR>
      　　　　　　　　　<BR>
      　…彼女に取っての『良い雪』は、僕に取っては悪い雪らしい。<BR>
      　<BR>
      　朝からタイヤにチェーン巻いたり、暖気したり…<BR>
      　<BR>
      　車のエンジンを掛けて、熱いコーヒーを飲みに戻った僕に、彼女から電話が入った。<BR>
      <BR>
      「もう、最悪。バスが動いてないのに休校じゃないんだって」　</FONT></FONT></P>
      <P><I><A href="e00.htm"><FONT size="+1">←戻る</FONT></A></I></P></TABLE></CENTER><P align="center"><FONT size="-1"><A href="index.htm">メニュー</A>　<A href="dm0.htm">笑う大広告</A>　<A href="links.htm">リンク集</A>　<A href="http://www61.tcup.com/6116/ghost.html">掲示板</A></FONT></P></BODY>

</HTML>

