
セカンドハウス外観 |
|
雑誌等において京都の「パスタランキング」などの特集があれば、必ずと言っていいほど堂々の一位を飾るセカンドハウス。特に、古い和風建築をそのまま改装したという東洞院店は、雰囲気も京都随一との呼び声が高い。よって今回は、この人気の店舗に限って話をすすめていこうと思う。
さて、評価を書き進める前に、すこしばかり複雑な事情をまず、呑み込んでいただく必要がある。
第一に、多くの人が「風情があってよい」とする雰囲気について。
この店で扱っているものは、大別してスパゲティとケーキ(喫茶)に分かれるが、東洞院店の場合、1Fがカフェ、2Fがレストランとなっている。見落としてはならないのは、
1Fと2Fとでは雰囲気の良さが段違いにちがってくる、という点だ。1Fは客席の数がそれほど多くなく、ソファにしろテーブルにしろ、ゆったりくつろげる空間設計がなされており、まさにケーキと珈琲でうだうだとティータイムを過ごすにはもってこいの居場処である。古めかしい柱の趣やら、可愛らしい皿やティーカップにいちいち目が届くのも、この店の持つ情緒を十分に味わい得た証と言ってよいだろう。
これに対し、食事が中心の2Fには、
およそ風情と呼べるものなど一切存在しない。もともとケーキよりパスタで人気の店だから、当然二階のほうが収容客数も多く、席と席との間隔も狭い。飯時になれば、いっぱいいっぱいに詰め込んだ客の話し声が、下の階にまで響くほどうるさくて落ち着きが無く、この建物がもともと持っていたであろう和風建築独特の「度量の広さ」とも言うべきものが、完全に損なわれていることがわかる。外観がどんなに風情のある建物であろうと、これではなんの意味もない。せっかく木製でそろえたテーブルや椅子も、この喧噪の中では「焼け石に水」と言った感がある。窓から眺める景色にしたって、公園のベンチに横たわる浮浪者の影をとどめるにすぎない。
上記のことがらをよくよくふまえてみると、大変困った事態が発生することに気づく。ここで二つ目の問題点を掲げよう。それは、雰囲気の格差など話にならないほど深刻な問題――
ケーキとスパゲティとの格差だ。
はっきり言いきってしまえば、ここのスパはそこそこの味なのに対して、ケーキは文句ナシにごみ箱へ入れてしまいたいくらいのまずさだ、ということである。味のしない、意図の分からない、そしてこだわりが全く感じられないケーキのことだ。
第一と第二の問題を重ねあわせてみるといい。すると、セカンドハウス東洞院店では、料理と雰囲気とを同時に、且つぞんぶんに味わうことは
不可能という結論に落着するだろう。なにしろ、雰囲気を楽しもうとして1Fを選べば、まずいケーキを食べなければならないし、うまい料理を食べたくて2Fに上がれば、今度は風情が追いつかない。しょせんは追いつ追われつのイタチごっこ。いつまでたったってこの差が縮まることはない。どんなに貪欲な客でも、最後はいずれ一方を諦めなければならない仕儀に陥るしかないのだろう。
長くなったが、今回は1Fのケーキは
無視して、2Fのスパゲティだけを対象とする。
料理:パスタ自体は美味しいのだが、いろいろな食材にからまってくるメニューが多く、むしろそちらの方に気をとられてしまいがち。もっとも、ここのスパを美味い!という人が多いことには十分に納得が行くレベルで、わたしもこの日、「トマト&ベーコン」を頼んでしっかり「トマトとベーコンだけ」を楽しんだ。量は少なめだが、150円アップの大盛りはそれほど苦には思われない。
雰囲気:上述の通り。1Fの居心地の良さを知っているだけに、うるさくて狭苦しい2Fは本当にもったいない気がする。
|
味
|
★★★★★★★
|
|
ボリューム
|
★★★★
|
|
雰囲気
|
★★★★★★
|
|
サービス
|
★★★★★★★
|
|
料金
|
★★★★★★★
|
|
総合
|
31点
|
|
交通
|
★★★★★★★★★☆
|
|
管理人
利用率
|
★★★★
|
|
|
サービス:客席が多いにもかかわらず、並ぶこともあるようだ。並んでまで食べるほどの店かどうかはあえて言わないけれども、大丸ウラの、ランチメニュー激戦区がほど近く、かの風流店きあっそ本店(洋食・パン参照)もその中にあることをつけ加えておく(料理自体の評価はそう大差ない)。
値段:おおよそ800円スタートの、トッピング可、というスタイル。量がすくないのでこの評価になった。男性なら迷わず大盛りを行くべきだろう。女性はそれにあわせて好きなトッピングを。1000円を目安にしておけば十分。
交通:河原町からは歩いても行ける距離。烏丸からスタートして、この店で食事をし、錦を通って河原町へ出るコースも面白い。途中、さくら庵・ルペールなど、ケーキの良店もあることなので、できればこの店ではスパゲティだけにしておくのをお勧めする。
最後に、わたしの超個人的な意見をひとこと。
この店が各誌のランキングでダントツの一位をとりつづけているうちは、京都には胸を張って日本に誇れるようなスパゲティの店はなかなか増えないだろう。
|
○追加情報1
|
左の表にあった「料理」のカテゴリを、「味」と「ボリューム」に分けました。文章はもとのままですので、内容にすこし食い違いが出てくるかも知れません。[10/Nov/99]
|
|
○追加情報2
|
河原町丸善の向かいあたりにある店舗(2F)は、飯どきでも結構空いてて使えるかも。
|
|
|