■ しるそばたか
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しるそばたか 〜意外性で嵐を呼ぶ〜
2002年2月28日移転先が決まらず閉店。京都市内にはほかに洛西に支店があります。


しるそばたか外観
世の中には、ふだんはいかにも浮ついたふうを装っているくせに、ここぞという場面ではきっちりとキメるタイプの人間がいる。要領がいいと言うべきか、頭の回転が人並みすぐれて速いと言うべきか、ともかく、人は見かけによらないというのは本当である。それは新しい店に挑戦するときも同じで、とてもとても、こんな店構えでうまいラーメンなど食わしてはもらえまい、と思われるようなカウンターの奥から、奥深い味わいの逸品が出てこないともかぎらない。しるそばたかは、そんな店の典型である。
外観は一昔前のカラオケボックス。店内で働く人たちは、頭にバンダナを巻いた若い店員たち。普通なら、客はその時点で戦意喪失である。しかし、客はひっきりなしに出入りしているし、店員の数もかなり多いし、店そのものが流行っていることは目に見えて明らかな事実であって、初めはなぜこんな店が流行っているのだろうと首をひねるばかりであったわたしも、注文したあとはただただ溢れんばかりの期待感だった。店の場所をさきに記しておくと、京都駅裏に「PARQUE」というMKのカラオケがあるが、そのさらに裏手だ。駐車場もあるので車でのアクセスも可。


一番最初にここを訪れたとき、わたしが挑戦したのは醤油ラーメンと味噌ラーメンだった(ラーメンをしるそばと呼ぶらしいが、混乱を避けるためここでは「ラーメン」としておく)。いずれもコクのあるスープと麺のコシとがぴったりとマッチして、なるほど評判通り、京都では確実に10本の指に入るラーメンだと悟った。餃子はイマイチなのであえてとりあげないが、この時点でわたしは、すでにしるそばたかを「風流店」として記事にすることを決めていたものである。
しかし、これだけの記述では、「風流店」の称号を与えるにしてはずいぶんとそっけない記事だな、と割り切れない思いを抱く人も少なくないにちがいない。そうだ、この店にはさらに奥深いものがある。わたしがこの店を絶賛したいのは、醤油でも味噌でもない。絶妙の塩ラーメンを食わせる店というその究極の事実だ。

この記事をアップする1週間ほど前に、「関西一週間」に、塩ラーメンのうまい店としてこの店がとりあげられていた。こちらは先を越されてしまったわけだが、しかしわたしは、今度ばかりは雑誌の内容を100%支持したいと思う。わたしは関東出身の人間だ。「サッポロ一番塩ラーメン」が、「同味噌ラーメン」の蔭で隠然たる勢力を築いている、あのだたっぴろい関東平野で生を受けた人間だ。関西人にとってみれば、真正面からは受け入れがたい事実かもしれないが、東の人間にとって、あっさり味の塩ラーメンはちまたのラーメン屋でもしごくメジャーな食べ物なのである。京都に来てからというもの、塩ラーメンそのものに出逢う機会がまったくなかったわたしは、置いてくれている事実がすでに嬉しく、さらにそれがかつてないほどにうまかったことに素直な感激を覚えた。それは、ただうすい東のスープを持ってきただけのものではない。しっかりコクを備え、上手に関西ナイズされた研究のたまものだった。

京都のラーメンを高く評価する人の言として、「関西と関東との中間点に位置することから、両方の美点を兼ね備えることができた」という言い方をするひとがいる。しかしその一方で、「せっかく京都へ来たし、ラーメン食べに行こう!」と言う遠方からの旅行者の数が、「和食を食べに行こう!」と言う旅行者のそれを越えたという話はかつて聞いたことがない。わたしの関東の友人にも、京都を愛する人は大勢いるが、京都で何を食べたいかと尋ねれば決まって「和菓子」とか「湯豆腐」などの答えしかかえってこず、ちょっと詳しい人でも、「天下一品」の四文字が出てくればよい方である。この事実を、単に「京都を知らないからだ」で終わらせば事の真偽を見誤ることになる。どんな土地に行ったって、うまいラーメン屋の1軒や2軒は必ずあるのであり、その中で全国に名を馳せるほどのラーメンの名所として讃えられるのは、それだけ質の高い店が凌ぎを削っている事実の裏づけがなくてはならない。京都は100万を越える大都市だ。うまいラーメン屋が10軒や20軒あったからといって、それがいったいなんになろう?それは、人口10万にも満たない尾道や 喜多方の10軒と決して同じではないのだ。

★★★★★★★★★★
ボリューム
★★★★★★★
雰囲気
★★★★★★★
サービス
★★★★★★★★
料金
★★★★★★★
総合
39点
交通
★★★★★★★
管理人
利用率
★★★★★★
→Yahooグルメ
しるそばたか
しかし、京都のラーメンには光もある。「天下一品」のように強烈な個性派が多くあるし、しるそばたかの塩ラーメンように、東西の旨味を兼ね備え、どちらの人間からも讃えられる作品をつくれる店もある。京都をラーメン王国とするためには、まだまだラーメン屋全体の絶対数と、名店と呼ばれる店が増える必要があり、相対的な質の底上げも計られなければならないだろう。
しるそばたかはいわばその急先鋒的存在である。塩に限らず、醤油・味噌・こってり好きにはたまらないパイタンラーメンも美味しい。ファミレス系ラーメン屋風な店内の装いも、見方によれば独創的で悪くないかもしれない。値段はあと100円程度下げてほしいところだが、浜大津店では値下げチケットの配布などもしきりに行っているようだし、先日はリクルート系地域情報誌「360(サンロクマル)」に割引チケットがついていたので、そのあたりのチェックも怠らずしておくといいだろう。ともかく、一度挑戦してみることをお勧めする。東西の狭間で、単なる中途半端で終わることなく両者の融合に成功した、京都ラーメンの未来の理想図がここにある。
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