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ますたに 〜京都ラーメンの基本〜


ますたに外観
「京都一」との呼び声高いますたにのラーメン。
まず、最初にわたしが思ったことは、恐ろしく回転の速い店だということ。常に行列の嵐で、わたしが行った日にも15人ほど並んでいたが、あれよあれよという間にカウンターに座らされていて、注文するとそれほど待たずにラーメンがでてきた。さすが京都一繁盛している店。てきぱきと働くパートのおばちゃんもたくさん雇っていて、客に対する誠意のサービスは他店にはみられないほどの充実ぶりだ。待つのが苦手な人でも、これなら安心である。
また、店の場所もある意味で大変便利である。銀閣寺からほどない距離ということもあって、市バスはいくらでも通っているし、なにより銀閣寺キャンデー店(すぐれみせ参照)が近いというのが味噌だ。冬は厳しいが、暖かい時節にはデザートにも困らなくてすむだろう。いくつかのイケてるサテンも、そう遠くない場所にある。

さて、肝心のラーメンの味はどうだろう?
この店はほそかわやタンポポ(いずれもごみ箱入り)の師匠と聞いたことがあるが、なるほど、京都の有名どころにありがちな「見た目こってり中身あっさり」系のスープだった。わたしは未だ、この系統(特に、鳥ガラ+たっぷり豚背脂系)のラーメンで成功しているものを食したことがないが、さすが師の貫禄、ますたにのスープは弟子の店のそれとは段違いに深く、すべてがしっくりまとまっている印象だった。優良店と呼んでもさしつかえないだろう。ただし、わたしの評価としては、惜しいかな、それ以上でもそれ以下でもない、という文句を付け加える必要がある。

問題は2つある。
一つ目は、某雑誌でますたにのラーメンを「懐かしい味」と評しているのを見たが、それがある意味適当な表現であると肯かざるを得ないほど、ここのラーメンからはおよそ真新しさというものが感じられない。もちろんうまいのは認めるのだが、他地域から来る人ならまだしも、京都の中にいる人間からすればあまりにありふれた味である。もしかすると、ここのスープを目標とし、真似ようとした店が多いため、京都にはこの手の系統が広くひろまった悪結果なのかもしれない(推測)。いずれにせよ、「斬新さ」を評価しようとすれば、「皆無」とこたえる他ないのである。

二つ目。料理は新しければよいというものでもないのは百も承知である。だから、一つ目の理由はそれほど声を荒げて言うほどのことではないかもしれない。問題なのは、むしろ二つ目の方――だ。わたしが常々、京都には本当のラーメン文化が根付いていない、と考えざるを得ないのも、すべてはこの麺の中途半端さゆえなのである。
たとえば、わたしと同様、京都のラーメンを酷評する人でも、ほそかわやますたにのスープをまずい!という人はそうはいないと思われる。むしろ、京都にはうまいスープを出してくる店はそこそこあるのだ。だが、京都のラーメン事情の不思議さは、しばしば「スープのうまさ=ラーメン自体のうまさ」と一足飛びに定義づけられてしまいがちだという、その事実にはっきり裏うちされている。
想い出してみるがいい。京都の人間で「あそこのスープはうまい!」と評価を口にする人はいくらでもいるけれども、「あそこの麺はうまい!」と言う人はほとんどいない。わたしの故郷はラーメンの国福島・東京にほど近いため、スープのうまさはもちろんのこと、麺の個性もしばしば議論にのぼる。通の人なら、スープのうまさは当前のこととして、麺のよしあしから話が始まる場合も少なくない。スープと麺とを天秤にかけよとまでは言わないけれども、京都のラーメンにもせめて50%-50%の、同等の評価がなされる必要があるだろう。ラーメンはどこまでいったって麺類なのだ。

★★★★★★★★☆☆
ボリューム
★★★★★★★
雰囲気
★★★★★★★★
サービス
★★★★★★★
料金
★★★★★★★
総合
37点
交通
★★★★★
管理人
利用率
★★
→Yahooグルメ
ますたに
ますたにも例外ではない。スープの味が際だっている割には、麺がどうも頼りなく、しっくりとこない。調和がとれていないのだ。わたしが普段ラーメンに酢をかけるのは、まずい店に入ったときに限られているのだが、このときばかりは仕方なく、かけて食べざるを得なかった(こうすることで、麺とスープとのからみがでてくる。もちろんそういう気になるというだけで、根本的な解決策ではない)。ますたにがまずいというわけではない。せっかくのうまいスープを無駄にしたくない――その苦肉の策だったのである。
ちなみに、酢をかけると味がひきしまってよいのだが、わたしが考えるところ、この行為は邪道である。
客に酢を自由にさせるのは、一見客への親切とも映るけれども、わたしには店側の逃げ道としか見えない。ますたにほど実績があり、ラーメンにも十分な自信を持っている店なら、客に酢などかけさせて、もとのスープの味を濁させるべきではない。餃子を出す以外の目的で、カウンターに酢を置くなどといういらぬサービスは、外道ファミレス系ラーメン屋のすることである。改善してほしいものだ。

※料理の評価は、麺とスープを50%ずつ(5点満点)にわけて、麺が2.5点、スープが5点(なかなかうまい焼豚の評価はこちらに入っている)の、計7.5点という形になった。だが、8点はつけたくないので小数点以下を切り捨てた。厳しすぎるかもしれないが、これがラーメンの評価に対する――このホームページ自体に対するわたしなりのこだわりだ。

○追加情報1
左の表にあった「料理」のカテゴリを、「味」と「ボリューム」に分けました。文章はもとのままですので、内容にすこし食い違いが出てくるかも知れません。[10/Nov/99]
○追加情報2
ちょっと厳しすぎたと反省。「切り上げ」にしましょ。(^^ゞ
→味+1
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