
パウンドハウス外観 |
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実はわたしは、つい4、5年前まで、ケーキという食べ物があまり好きではなかった。もともと甘いものが苦手であったし、特に、生クリームなどは存在自体が許しがたいほど、毛嫌いしていた。ところがここ数年、わたしはしばしば洋菓子の店へ脚を運ぶようになった。理由は、二十歳を過ぎて珈琲をブラックで飲むようになり、飲み物と甘い物との釣り合いが上手にとれるようになったこと。そしてもう一つ、甘いだけが取り柄と信じて疑わなかったケーキ屋の中にも、うまい・まずいの違いがあることを知ったためである(その発端となったのは、「モーツァルト」というウィーン菓子の店なのだけれども、それはいずれ記事にするだろう)。
さらに、わたしは最近、ケーキの中でも最も苦手だった生クリームをも克服しようとしている。これも同じ理由からで、一口に生クリームと言っても店によって千差万別があり、わたしの数少ない経験では、今のところ、大別して「甘いだけ」「味がしない」「フルーティ」という三種の存在が確認されている。「甘いだけ」や「味がしない」生クリームのケーキが、食えた代物ではないのは当然のことであるが、実際はこれに出くわす確率が最も高いのだからたまらない。しかし、最後の「フルーティ」だけは違う。わたしが今、ようやく口にできるようになった生クリームとは、どうやらこの種に限った話のようだ。
「フルーティ」という言葉をあえて選択したけれども、なにも実際に果汁が含まれているかどうかを言っているわけではない。それは、
決して砂糖の甘さに頼りきるのではなく、かつ、フルーツのあの豊潤な香りを想像させるような代物――みずみずしく、香り豊かな果実の、あの
透き通った甘さを想像せずにはいられないほど、深い味わいを持つもののことである。今回取り上げるパウンドハウスは、そんな生クリームの製造法を知る数少ない店だ。
この店は、市バス洛北高校前下車徒歩1分――下鴨神社前の通りをずっと上がって、北大路と交差する角の北東にある。歩くのが好きな人なら、北山へ行ったついでに寄れるくらいの位置である。注文したのは、もともと好きなチーズケーキ(レア)と、わたしが未だかつてどこの店へ行っても美味しいと思ったことのないミルクレープ。好きな物と嫌いな物の両極端をあえて選択した形である。
まずはチーズケーキ。ねっとりとした舌触りの、重厚なチーズの奥からかもし出されるその深い味わいのひろがりは、一言で言うならやっぱり
フルーティ〜♪(何度も言うが、決してフルーツの味がするという意味ではない)。間違いなく、わたしの経験したすべてのチーズケーキの
頂点に立つ逸品のひとつである。このうまさを、わたしの拙い文章で伝えようとするほうが無理な話だ。
問題はミルクレープの方。クレープをちまちまと重ねて、なんやわけのわからんフルーツと生クリームを挟んだキモチ悪い食い物。その食べるのも邪魔くさい食い物が、
うまいんだからしょうがない。もともと各種フルーツの甘みが絶妙に混ざり合って文字通りフルーティなその上に、甘すぎず、淡泊すぎない生クリームが加わって、まさに
フルーティ〜♪×2なのである。もはや何も言うことはない・・・・・・
「まず、食え」
ところで、味の良さと店全体の評価とが、必ずしも比例しないのは世の常である。パウンドハウスに比べ、味では一段劣る紫竹の「ZIZI(ケーキ・カフェ参照)」などが、最終的な評価において勝ってしまうというのは、ひとりのサービス業の住人としてその店を見たときに、どれだけ客に対してサービスそのものに重きを置いているかを判断しようとするためである。経営と料理とは別の領域なのだ。
表を見てもらえばわかるが、パウンドハウスは一個の店としては凡庸な評価に留まっている。割高なケーキ。割高な飲み物。しかし、セットメニューの用意もないのは残念なことだ。もちろん、ケーキにはそれだけの価値があるので、500円程度はぜんぜん惜しくない。だが、飲み物も同じ値段で、合計すると1000円を超えてしまうというのは、なんだかやりきれない思いがする。なにしろ、ぬきんでて美味しいわけでもない珈琲や紅茶を注文するその金で、もう一個別のすさまじく美味しいケーキが注文できるのだから・・・・・・。また、店の雰囲気も、小綺麗でまずまずなのだが、狭苦しさは否めず、窓の外の景色も格別なものではない。
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味
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★★★★★★★★★★
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ボリューム
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★★★★★★
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雰囲気
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★★★★★★★
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サービス
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★★★★★
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料金
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★★★★★★
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総合
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34点
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交通
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★★★★★
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管理人
利用率
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★★★★★★
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よってわたしは、次にこの店へ行くときは、こんなコースを考えている。
パウンドハウスで好きなケーキを2個買って、自販機で缶コーヒーを買い、北山あたりののんびりした場所や植物園などで贅沢なティータイムをすごす、というものだ。店で食べれば割高なケーキも、外で食べれば2つ+飲み物で千円ちょいだ。そもそも贅沢とは、こうやって安上がりに味わうからこそのものではなかったか。高い料金を出して「贅沢だね〜」などと人は言うが、それは本来贅沢と呼ぶべきことではなく、「ア・タ・リ・マ・エ」の世界なのである。
PS:わたしはこれで、京都市内のあちこちに良いケーキ屋を発見したことになる。南西にはホームメイド風のケーキで名を馳せる「菓子職人」。北西には良質な菓子を格安料金で提供しつづける「ZIZI」。すこし西へ飛べば、嵐山には「ガトー・ド・ビガロ」が控えている。そうして今回、北東に、究極の味を追求する店・パウンドハウスを見出した。むろん、まだ発掘していないケーキ屋はたくさんあるだろうから、これからもどんどん良店の数は増えていくだろうが、歴史の街京都に、和の料理だけでなく洋菓子にも秀でた店が多いというのは、遠方の方々にはちょっと意外な事実かもしれない。なお、わたしが勧める店は、比較的甘さ控えめな店やメニューが多いと思われるので、究極の甘さを求める人の舌とは合わないと思われる。
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○追加情報1
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高島屋で買い物を終えて、ケーキを買って帰りたい時は、地下1Fの高島屋店を利用するのが吉。お店はそれほど雰囲気がよくなく、狭苦しいので、テイクアウトオンリー。
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○追加情報2
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高島屋内のお店はリニューアルでなくなりました。残念!
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2001年閉店しました。お疲れ様でした。
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BOTERO外観 |
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こちらは河原町蛸薬師のデザートハウスBOTERO。
パウンドハウスの姉妹店だ。
あえて一つの記事として紹介せず、本家の下にこんな狭苦しく追いやられているのには訳がある。決してケーキそのものに遜色があるわけではない。値段だって、割高なところは変わらない。ではなにが気に入らないのかと言えば・・・・・・
ホールの店員がオトコだからだ!
完全に女性客にターゲットを絞っているのか、遅くまで営業しているからなのか・・・・・・(12:30〜22:30/金・土は〜0:00)。ともかく、気に入らない(笑)。内装も凝ったものではあるが、なんだか女の子女の子していて過ごしにくい。
まあ、河原町でパウンドハウス並のケーキを食べようと思う
女性にはオススメの店なのかもしれない。ただ、席数がすくなく、2人で行くと窓際でも壁際でもない、ルームの中央のひどく落ち着かない2人席に座らされることがあるので、3人以上で行くのが一番よいと思われる。こちらもケーキのセットメニュー等はないので、1000円以上は覚悟しておくこと。