
澤屋外観 |
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花よりだんご、とはよく言ったもので、北野天満宮へ行くと、梅より澤屋の粟餅が気になって仕方がない。紅白の梅の匂いが強烈に鼻をつく中で、かすかに粟の香が混じっているような気がしたら、もはや末期の中毒症状である。一刻も早く、澤屋前の行列の最後尾へ並ぶべきだろう。
ここの粟餅は観光客もよく知っているようで、休みの日ともなると、手に手に旅行ガイドやカメラをひっさげた客が大勢で列をつくっているのが見受けられる。
わざわざ並んでまで・・・・・・、と思う人も多いだろうが、腰を据えて食事をとるわけでもなし、それほど気にすることはない。ここへ来たら目当ては粟餅以外にないのである。茶をすすりながら和菓子を頬ばるのに、1時間も2時間もかかる人などいない。客の回転は早いのだから、
どしどし並ぼう。
粟餅(写真右)は丸いこしあんが3つ、細長いきなこが2つで510円だ。1個100円の計算だが、これを高いと感じるか安いと思うかは、和菓子の好き嫌いで決まるだろう。和菓子通なら、味だけでなく舌ざわりと香りとで、十分に「違い」を知ることができるはずだ。「違い」とは、その店のこだわりである。
「誇り」と言いかえてもよい。

粟餅 |
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一口かじると、あんやきなこの甘さの中に、ほのかに粟が薫る。決して粟の香を消すほど甘くはしない。まさに長い時をかけなければ作り得なかった妙味、絶妙のバランスなのだ。
素材、味、香、歯ざわり・・・・・・、どれもが納得のレベルだが、「違い」はそれだけに留まらない。この店のこだわりは、何と言ってもその
「新鮮さ」にとどめを刺す。
なんと粟餅は、客の注文を受けてからつくるのだ。それも、客の見ている目の前で餅をまるめてくれるのである。澤屋では添加物を一切使っていないため、時間が経つと餅がかたくなってしまうのだという。それを避けるために、考え抜いた末にようやくたどりついた、ぎりぎりの製法なのだろう。本当に美味いものを出したい――その気持ちがなければ、とうてい到達しきれなかった神域だ。
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味
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★★★★★★★★★★
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ボリューム
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★★★★★★
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雰囲気
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★★★★★★★★
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サービス
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★★★★★★★★
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料金
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★★★★★★★★★
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総合
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41点
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交通
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★★★★★
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管理人
利用率
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★★★★★★★★
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わざわざ客の前でつくるのが、決して見せ物や話題づくりのためでないことは、上の話からでも十分察しがつくと思う。
もちろん、ひとつの「芸」として見るのも楽しいには違いない。こんな珍しい店は他にないからだ。だが、わたしはその姿から、客に対してというより、むしろ同業者に対する優越感――満ちあふれた自信を看てとる。
「これだけの仕事を、他にできる奴がいるか?」
・・・・・・なるほど、売上を追求し、工場で大量生産する昨今の和菓子商では、言い返す言葉も見つかるまい。
改めて評価。
味は折り紙つき。こじんまりとした店の雰囲気も、和菓子ひとつ食べに行くのにはちょうど良い。アットホームな店のおっちゃん、おばちゃんの笑顔も素敵だ(笑)。値段も手頃だが、惜しいかな、電車で行くにはすこしばかり不便なところにある。まあ、お金のある旅行客ならタクシーでもいいだろうが、地元民は市バスを利用しなければならないのがつらい。最後に、毎月25日が天神さんの縁日なので、この日を狙って行くことをおすすめしておく(もちろん、それだけ澤屋は混みますが)。
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○追加情報1
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いくら交通が不便だからといって、日祝日や縁日の日に、天神さんへ車で行くのは自殺行為です。西陣警察がすくそばにあり、分単位ではってますんで、気をつけてください。
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○追加情報2
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左の表にあった「料理」のカテゴリを、「味」と「ボリューム」に分けました。文章はもとのままですので、内容にすこし食い違いが出てくるかも知れません。[10/Nov/99]
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